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大分県eスポーツ協会のプロチーム「花天月地」 世界視野に本格始動

「地元密着型のプロチームに」と語る西村会長

「地元密着型のプロチームに」と語る西村会長

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 大分県eスポーツ協会(西村善治会長)のプロチーム「花天月地(かてんげっち)」が本格的に始動する。全国大会への参加やクラウドファンディングを利用した資金集めなど、現在チームの動きが活性化している。

「スプラトゥーン2」の対戦会

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 「eスポーツ」はエレクトロニックスポーツの略称で、コンピューターゲームなどによる対戦をスポーツ競技とする際の名称。同協会によると、海外ではチェスなどと同じように頭と心で戦うマインドスポーツの位置付けで、年齢や国籍関係なくフェアに戦える競技として根付いている。競技人口は1億人以上で、サッカーや野球、テニスなどと同様に勝負や選手のスキルを楽しむ「観戦」も一つの醍醐味(だいごみ)となっているという。

 大分協会は、県内での普及、世界を目指すプロチーム設立を目的に2016年8月に発足した。大分市内で定期的に開く対戦会や交流会への参加者は回を重ねるごとに多くなり、ゲームタイトルごとのコミュニティーも増えている。6月10日に開いた初のオープン大会には、県内外から多数の選手や観戦者が詰め掛けた。国内から世界を視野に県単位で活動している団体は大分と富山だけという。

 そうした流れを受けてプロチーム結成の動きが本格化。「地域でのeスポーツ普及にはコミュニティー設置、定期的な大会やイベントの開催、有名プレーヤーの招待などがあるが、その先には次世代が夢や希望を持てる地元プロチームの存在が必要。日本でもプロチームが誕生し始めており、大分にもその時が来た」と西村会長(39)。「地方では大会が少ないのでモチベーションが上がらない、技術向上の機会もないといった声も多く、腕のある選手や有望な若手が離れていっている。こうした流れもここで止めたい」と話す。

 「花天月地」には、選手、ファン、スポンサー、スタッフの思いや夢が花として咲き、月(チーム)が地上(大分)を照らすという意味を込めた。活動としては大会出場、イベント企画開催、実況配信などを予定する。7月18日現在、登録選手は7人で、家庭用ゲーム機「 ニンテンドースイッチ」用ソフト「スプラトゥーン2」とパソコン用ゲーム「コール・オブ・デューティー」の2チーム体制となっている。すでに「スプラ―」チームは7月から11月にかけて開かれる「第4回スプラトゥーン甲子園 地区大会」(ドワンゴ主催)にエントリーしており、2019年1月に開かれる全国大会を目指すという。

 「スプラ―」チームは現在3人で、過去に関東地区大会を制した腕を持つ選手を中心に対戦会などでスキルを共有 し合っている。大会参加(1チーム4人)へ向けては最後の1人を選抜中という段階。西村会長は「手応えはある。大会を制することで知名度も上がり、各大会に招待されるようになる。これを繰り返して行くことで他国の大会からも声が掛かるようになる」と話す。

 7月14日からはクラウドファンディングを利用した運営資金集めも始めた。寄せられた支援金は撮影用のビデオカメラや選手のユニホームなどに充てるという。西村会長は「eスポーツに少しでも興味を持ち、理解してもらえればいい。今後はさまざまな活動を通して、地元の人から愛されるチームとして成長していきたい」と意気込む。

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