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大分市のこうざき小で「夢」の授業 プロ野球の甲斐拓也選手が「先生」に

笑顔で授業をする「甲斐先生」

笑顔で授業をする「甲斐先生」

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 日本サッカー協会の「夢の教室」が12月11日、大分市のこうざき小中(大分市神崎)で開かれた。同市出身でプロ野球ソフトバンクホークスの甲斐拓也選手が「先生」となり、子どもたちに諦めない気持ちと感謝の心の重みを伝えた。

体育館で甲斐選手とゲームを楽しむ子どもたち

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 同協会が、子どもの健全な成長に貢献しようと2007年度に始めた「JFAこころのプロジェクト」の一環。サッカー、野球、バレーボール、陸上、水泳、モータースポーツなど、主にスポーツの分野で活躍するアスリートが「夢先生」として小学校の教壇に立ち、「夢」をテーマとした授業を展開する。

 実施回数は年々増えており、昨年度は全国で約2000回の授業を行った。大分市での実施は今回が初めてで、甲斐選手は昨年の宇佐市高家小以来2回目。今回は同小の5年生児童21人を対象に、体育館と教室で2つの授業を行った。

 甲斐選手は今年の日本シリーズで最優秀選手賞(MVP)に輝くなど今や「時の人」ともなっている。大分市教委体育保健課によると「昨年から依頼しており、今回の先生役としての割り当ては偶然」という。

 児童のほか、中学生や父母らが待つ体育館に甲斐選手が姿を現すと大きな歓声が上がった。甲斐選手は子どもたちとキャッチボールで交流した後に、自慢の「甲斐キャノン」を披露。糸を引くような送球を見せて会場を沸かせた。全員でゴールを目指すオリジナルゲームでは、子どもたちと手をつなぎ、互いに協力することの重要性を体現して見せた。

 教室では小学生からプロ野球選手になるまでの道のりを紹介。結婚や父親になった喜びについても触れた。甲斐選手は「何度も諦めかけたが、母や友達に励まされて続けることができた。失敗しても諦めずに頑張ることが大切。支えてくれた人たちへの感謝の気持ちも忘れないでほしい」と語り掛けた。

 甲斐選手に将来の夢を聞かれた子ども達は「プロ野球選手」「日本代表の正ゴールキーパー」「保育士」「電車の運転手」「ユーチューバー」などと答えた。「魚博士」になりたいという本庄想君(10)は「甲斐選手は格好が良かったし、言っていることも分かりやすかった。自分も図鑑で勉強して、諦めずに夢を実現させたい」と笑顔で話した。

 教壇に立った感想について甲斐選手は「勉強は好きではなかったが、教師になりたいという気持ちもあった。何か一つでも伝わる言葉があったならうれしい」とし、「純粋な子どもたちから元気をもらった。自分にとってもいい時間だった」と話した。

 甲斐選手は大分県大分市出身。小学1年から野球を始め、中学時代に全国大会出場。楊志館高で捕手に転向し、2010 年のドラフト会議で福岡ソフトバンクホークスから育成6巡目の指名を受けて入団した。2017年から一軍に定着し、2年連続の日本一に貢献。2018年の日本シリーズでは連続盗塁阻止などが評価され、MVPを受賞した。

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