「第61回くらしの中の竹工芸展」が1月28日、別府市竹細工伝統産業会館(別府市東荘園、TEL 0977-23-1072)で始まった。
竹・ルネサンス実行委員会の主催。竹工芸の振興を目的に1964(昭和39)年から毎年開催している。今回は76人から91点の応募があり、最高賞の「くらしの中の竹工芸展賞(グランプリ)」に近藤雅代さん(別府市)の作品が選ばれた。
近藤さんは茶・花部門「花籃(はなかご)『煌(きら)めく』」で受賞。竹ひごで側面をござ目、正面を差し六つ目で編んだ作品で、異なる編み方を組み合わせた構造や品のある透け感とカーブが評価され、特別賞と重複で受賞した。最高賞受賞は2019(平成31)年以来2回目。
近藤さんは栃木県出身。東京でウェブデザイナーとして働いていたが、別府竹細工に引かれて2013(平成25)年に移住。大分県立竹工芸訓練センターで学び、2015(平成27)年に竹細工作家となった。商品作りと並行して工芸展に出品し、これまで日本伝統工芸展に3度入賞。2024年には次世代バンブーアート賞を受賞している。
「煌めく」の制作におよそ3カ月をかけたという近藤さん。「網目の異なる面をつなぐ部分を品よく見せる工程が難しかった」と話し、「受賞は素直にうれしいし、励みになる」と喜んだ。
会場には、近藤さんの作品や竹工芸の人間国宝・岐部笙芳さんの提唱で創設した「重要無形文化財保持者賞」など受賞作11点のほか、応募全作品を展示。受賞作品の審査講評ビデオも上映している。
開場時間は8時30分~17時(最終日は16時まで、月曜休館)。観覧料は、高校生以上=390円、小・中学生=130円。2月16日まで。
その他の受賞者は次の通り。
大分県知事賞=宇野冴月さん、別府市長賞=今冨訓孟さん、別府竹製品協同組合理事長賞=井上湧さん、別府竹製品卸商業組合理事長賞=吉田草史さん、重要無形文化財保持者賞=一木律子さん、大分みらい信用金庫理事長賞=小林由紀恵さん、別府市議会議長賞=小屋了子さん、別府商工会議所会頭賞=荒井直子さん、別府市観光協会会長賞=新田耕実さん、大分合同新聞社社長賞=池将也さん。