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大分の「府内城イルミネーション」 来場好調で新たな「市の顔」に、AR再現画像も

城址公園内「府内城再現AR」と府内城イルミネーション

城址公園内「府内城再現AR」と府内城イルミネーション

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 大分市の大分城址公園(大分市荷揚町4)で行われている仮想天守イルミネーションの来場者数が順調に推移している。

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 市が2017年2月に策定した「大分城址公園整備・活用基本計画」の一環として、府内城の存在を際立たせることで同公園の魅力を広く発信し、歴史と文化の観光拠点として整備する目的で実施している同イルミネーション。江戸幕府が作らせたといわれる「豊後府内城之絵図」などを参考に、現存する土台部分横の敷地に仮想天守を建設。11月に着工し、約1カ月半かけて金属製パイプで四層構造の天守の骨組みを造り、LED照明約7万球を張り巡らせた。高さは土台10メートルと天守部分19メートルの29メートル、正面から見た横幅約25メートル、縦幅は約23メートル。屋根にはしゃちほこを模した飾りをあしらっている。

 昨年12月27日から2月14日までの50日間、毎日17時から22時まで点灯。昨年8月の概要発表当時、点灯期間は「エンジン01文化戦略会議オープンカレッジ」(1月26~28日)に絡めた1月19~31日の13日間だけとしていたが、設定期間への不満や事業費2,500万円を疑問視する声が上がったことなどから段階的に期間を延長してきた。

 大分市都市計画部まちなみ企画課によると、試験点灯開始日の12月23日から1月14日までの23日間で延べ1万6,000人が来場。市では、同様の施策を実施した他都市の実績と照らし合わせ、当初は1万人の来場を見込んでいたが、期間の延長もあり、すでに大きく超えている。来場を働き掛ける積極的な告知やさまざまな策が功を奏した形となっていて、「市民からは『もっとイベントを大々的にすべき』『こじんまりとやった方がいい』『寒い冬よりも夏の方が楽しめる』などさまざまな意見が寄せられている」という。

 継続的な施策としては、同公園内に臨時の案内所を設営したほか、AR(拡張現実)の技術を用いたアプリケーションで当時の城を再現した画像を見ることができる「府内城AR」を導入。平日17時には「まいにちお城点灯式」をJR大分駅府内中央口で実施している。市のホームページの「大分城址公園仮想天守設置レポート(イルミネーション)」の更新にも力を入れていて、同課によると「閲覧頻度が高い人気のページとなっている」。

 開催期間1カ月を残し、これからはイベントが目白押しとなる。1月20日には15時と16時30分から参加無料の府内城ガイドツアーを実施。市の登録ボランティアが城址の歴史について解説して巡る。21日は9時から「ランヨガ in 府内城」を開く。「ゆるゆるラン」「ヨガ」「ピラティス」「剣舞」などの有料体験レッスンを行う。

 27日は17時からフォークグループかぐや姫の元メンバー森進一郎さんらの「DEAR FRIENDS」がコンサートを開催。会場にはグルメやフリーマーケットなど約100のブースが並ぶ。当日は文化人と夕食を共にする「エンジン01」の「夜楽」があり、会場の一つである県庁13階の「レストランぶんご」からはイルミネーションの府内城を眺めることができるという。点灯期間中最後の土曜・日曜となる2月10日・11日には「府内城楽市・楽座」が開かれる。城下町のにぎわいをイメージしたイベントで、飲食ブースを設置するほか、アウトレット品やハンドメード品の販売、フリーマーケットなどを行う。

 同事業については、1月7日に商工労働観光部商工労政課が七草がゆイベントを実施したほか、同部観光課は写真映えのする「インスタスポット」をホームページ上で紹介するなど、関連各課も活性化に一役買っている。まちなみ企画課では「今後も節分などでイベントができないか調整している」とし、来場者数の積み重ねを狙う。

 点灯が始まって3週間。その存在感の強さから「市の顔」ともなりつつある仮想天守。同課では「いろいろなイベントを楽しみつつ、今から約300年前にあの大きさの城があの地に立っていたという歴史を感じてもらえれば」とさらなる来場を呼び掛ける。

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