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大分市の「ひろかわバラ園」で花満開 香り広がる立体庭園を無料開放

バラ園を開放する広川憲治さんとまち子さん

バラ園を開放する広川憲治さんとまち子さん

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 大分市の個人庭園「ひろかわバラ園」(大分市志村、TEL 097-521-8603)で現在、色とりどりのバラの花が見頃を迎え、園内には上品な香りが広がっている。

バラの香りが広がる約70メートルのスロープ

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 広川憲治さん(69)と妻のまち子さん(66)が自分たちの庭で育てている180種類、約320本のバラを無料で一般公開している。敷地入り口から邸宅まで続く約70メートルのスロープ、2階建てのオープンテラスなど、庭の高低差を生かした立体的な造りが特徴。例年5月と10月の開花期に開放しており、昨年5月は約3000人が来園したという。

 自分たちや知人で楽しむ庭を造ろうと2011年4月にバラの木100本を植えたのが始まり。開墾を重ね、3区画をバラ園として整備。2016年に150種類、280本までに達した際に知人らを招待し、翌年から一般開放を始めた。

 園内をゆっくり見て回れるように休憩用の小屋やテラスを建て、数カ所にテーブルや椅子を備える。来園者には無料のコーヒーを提供するほか、不定期で尺八やオカリナの演奏会も開く。来園者目線のサービスが人気で、期間中は常連の中高年や観光の若いカップルなど一日に200人~250人が訪れる。「13日の日曜は雨だったが、170人が来てくれた」とまち子さん。

 来園者用ノートには感謝の言葉が並び、中には「病気の妻がバラを見てから回復の兆しを見せている」「今年100歳になった。来年も見に来たい」といった書き込みも。まち子さんは「全盲の人が来てくれたこともある。バラ一輪一輪の異なる香りをゆっくり楽しむ姿は忘れられない」と振り返り、「住宅街の個人宅を開放するに当たりいろいろ思い悩んだが、そうした笑顔を見ると公開してよかったと思う」と話す。

 憲治さんは農薬や医薬品を分析する仕事に就いていたこともあり、薬の知識は一流。過去にはキクの大輪作りで大会に出展した経験も持ち、花を育てる腕も確か。「品種改良を重ねて来たバラは病気にかかりやすく弱いので、まずは根をしっかり張らせることが重要。木を強くすれば丈夫な葉が育ち、葉がきれいであれば花も美しい」と説明する。

 今年の開花は例年よりも10日早く、5月16日現在、「シルバーピンク」の色合いが美しい「ニュードーン」や小ぶりのピンクの花が密集して咲く「バレリーナ」など約6割が満開となっている。「3割は散り始め、残りの1割がこれから開花する。見頃は来週末まで」と憲治さん。

 期間中は毎日、2人で表に立って来園者を出迎える。まち子さんは「花と香りを楽しんで笑顔を見せてもらえれば、それだけで十分」、憲治さんは「バラや園芸についてもおしゃべりできれば。気軽に立ち寄ってほしい」と呼び掛ける。

 開園時間は10時~16時。駐車場は国道197号線沿い、志村バス停そば(ブロック資材置き場)に10台分、地区内3カ所に8台分あり。

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