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別府から移転の老舗レコード店「エトウ南海堂」 大分市中心街で「第2章」始動

大分市で営業を開始した「エトウ南海堂」

大分市で営業を開始した「エトウ南海堂」

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 別府市から大分市の商店街に移転した老舗レコード・CD店「エトウ南海堂」(大分市中央町2、TEL 097-529-7490)が8月20日、新天地での営業を開始した。

店ではCDや中古レコードなどを販売する

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 創業約90年という歴史があり、現在は3代目の江藤二郎さん(64)と長男の慎悟さん(32)が営む。8月15日までJR別府駅前の商店街で営業していたが、時代の移り変わりなどで売り上げがピークの3分の1までに減ったこともあり、生活とのれんを守るために大分市の中心街に移ることにした。

 新店舗はミュージックETO(2006年閉店)があったビルの1階で、セントポルタ中央町のほぼ中央に位置する。店舗面積は約33平方メートルで旧店舗と同じ。CDや中古レコード約1万点を並べる。店舗の裏側に約51平方メートルのイベントスペース「くるみホール」も併設。貸しスペースとして活用するほか、ライブなどのイベントも主催する。

 ビルのオーナーはミュージックETOを営んでいた江藤和子さん(65)。和子さんの祖父と二郎さんの祖父が兄弟という間柄。「貸していた居酒屋との契約が切れ、次をどうしようか悩んでいたときに、思い切って二郎さんに声を掛けてみた。在庫を抱える商売は大変だが、やはり物を手に取って、見て、買うというスタイルにこだわりたかった。できるだけサポートしたい」と笑顔で話す。

 3日かけて旧店舗から商品を移したほか、Mr.Childrenの桜井和寿さんやAKB48時代の指原莉乃さんらがサインを書き込んだ大きなガラス窓なども運び込んだ。「とりあえずは棚に商品を入れ込んだという段階。ジャンルや歌手の札付けなどはこれから」と二郎さん。慎悟さんは「移転作業でバタバタしていて、心の整理は付いていないが、ただ、やはり気持ちがいい」と話す。

 20日はプレオープンとして試験的に開店したが、10時前から次々と客が訪れ、好みのCDやレコードを品定めした。開店直後の最初の客は男性の高齢者で演歌のCDを3枚購入。2番目の中年男性は中古レコード2枚を買った。開店を楽しみにしていたと言う市内の60代の女性は「CDを見たり買ったりできるところが無くて本当に困っていた。通うところができてうれしい」と笑顔で話した。

 音楽界はダウンロードによる配信の時代に移り、大分市中心街でもリズムレコードやタワーレコード大分店などのCDを扱う店が姿を消している。そうした中での移転だが、二郎さんは「移転準備をしている中で、多くの年配の人から『助かる』といった声をもらった。やはりこっちに来て良かったと思った」と話し、「大分の人たちに愛される店にしていきたい」と決意も新たにしている。

 オープン記念として1,000円以上の購入者先着300人にオリジナルのミニトートバッグを進呈するほか、26日まで購入ポイント3倍キャンペーンを行う。

 営業時間は10時~19時。第1月曜定休。

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