別府大学(別府市北石垣)メディア教育・研究センターで6月24日、大分県立美術館のインスタレーション・アート展と連動したワークショップが開かれた。
「出会いと五感のミュージアム」をコンセプトに掲げる同館。同ワークショップは、現在開催している展覧会「生への言祝(ことほぎ) インスタレーション、十二の柱+出会いのパフォーマンス」に合わせ、国内外で活躍するアーティストたちの表現が響き合う空間を体感してもらおうと開いた。
同展は、日本の現代美術作家たちが、「日々の営みに対する賛辞=言祝」をオブジェやインスタレーション作品で表現。ウィーンなどで活躍するアーティストたちが大分の地にインスピレーションを受けた「出会いのパフォーマンス」なども展開している。
ワークショップでは、オーストリア生まれでウィーン在住のアーティスト、マリアンネ・グレーバーさんを講師に招き、マリアンネさんが南アメリカで制作した、性転換者に焦点を当てたセミドキュメンタリー映画を上映した。
参加した学生の一人は「第3の性は人と違う考えなどを持っていて、これまでにない新たな生きる形を作っている部分に共感した。自分としては戸惑うこともあるが尊敬できる部分もあり考えさせられた」と話す。
マリアンネさんは「インターネットの普及などにより、トランスジェンダーなど第3の性を持つ人たちは徐々に社会的地位を獲得し始めた。一方、理解はまだまだ浅いと感じる。教育現場なども変わってくれば偏見がなくなる。大分、別府では約2週間滞在して作品を制作するので、多くの人に見てもらえれば」と話す。
マリアンネさんが大分で制作したインスタレーション作品は6月26日から、同美術館で展示公開している。