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大分にラーメン店「嫁の中華そば」 夫が愛する味と妻が作りたい味が一致

大分にしょうゆラーメン店を開く笠原さん夫妻

大分にしょうゆラーメン店を開く笠原さん夫妻

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 大分市の県庁近くに11月11日、ラーメン店「嫁の中華そば」(大分市府内町2)がオープンする。

しょうゆスープを絡める平打ち手もみ縮れ麺

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 大分生まれ大分育ちの店主の笠原美保さん(38)と宮城県仙台市出身の夫の貴博さん(41)が「しょうゆだれ」をベースとした「ラーメン店を開き大分に広めたい」と開業を決意しオープン準備を進める。

 貴博さんは宮城県仙台市出身。東日本大震災で被災した。住んでいたアパートが全壊の憂き目に遭い、当時被災者に市営住宅を提供していた別府市に移り住み美保さんと出会う。「豚骨派」の美保さんだったが、生まれが東北で「しょうゆ派」の貴博さんが仙台へ行った際に食べさせたことから、美保さんの「作りたい気持ちに火が付いた」という。

 夫が愛する味と妻が作りたい味が一致し、進む道が決まりすぐさまラーメン界で有名な石神秀幸さんの下に飛び込み修業を開始。ラーメンづくりについての知識と技術を徹底的に学び、「あの味を大分に広めないで、ほかに誰がやるのか」と意気込んだ。

 スープは鶏がら、もみじ(鶏の足)、丸鶏を使った鶏スープと、煮干しなど魚系3種類に魚介類を合わせた魚介スープを別々に作り、食べる直前で合わせる「ダブルスープ」。肝となるしょうゆだれは「大分の人の口に合わせたい」と地元のものを選んだ。「自分も一人の母親として、口に入る材料には徹底的にこだわった」と美保さん。配合や割合の最後の微調整は貴博さんの「舌」を頼りに、開店直前の10月末まで続いた。

 麺は東北を代表する喜多方ラーメンと同じ平打ちの手もみ縮れ麺。柔らかくモチモチした食感が特徴の多加水麺だが大分で作っているところがなく、本場の東北から取り寄せることにした。メンマは塩抜きしてから味を染み込ませ、チャーシューはしっとりと仕上げた。

 店舗の周囲の壁を薄いピンク色に塗り直し、明るい雰囲気を演出。カウンター、テーブル合わせて計12席を用意する。メニューは中華そば(680円)をメインに、味付き卵のせ(780円)、卵掛けご飯セット(300円)やチャーシュー、メンマなどのトッピングも用意する。

 「大好きなラーメンを大分の地で味わえる」と喜ぶ貴博さんに、「自分の店を持つという夢がかなった」と目を輝かせる美保さん。

 オープンは11月11日。縁起を担いで11時11分に店を開く。営業時間は11時30分~15時30分。

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