![マッテルモンワークショップの参加者](https://images.keizai.biz/oita_keizai/headline/1739322637_photo.jpg)
絵本作家の荒井良二さんが2014年に制作した、「かんたん港園」(大分市生石)にあるオブジェ「マッテルモン」のリニューアルに向けたワークショップが2月11日、現地近くの会場で開かれた。
荒井さんは1956(昭和31)年山形県生まれ。1990(平成2)年に絵本作家としてデビュー。2005(平成17)年に世界的な児童文学賞「アストリッド・リンドグレーン記念文学賞」を日本人で初めて受賞。「きょうはそらにまるいつき」(2016年)で日本絵本賞大賞を受賞した。マッテルモンは出会いと別れの場所となる港で何かを待っている蕾(つぼみ)をイメージして制作。繊維強化プラスチック(FRP)製で、高さ約1.9メートル。門構の上部に海を見るように取り付けられた。
オブジェ制作を荒井さんに依頼したNPO法人「大分ウォーターフロント研究会」が、マッテルモンを載せた門構のさび止め塗り直しが決まったことから、2本の門柱下部に施した絵画部分(ドローイング)を新装し、マッテルモンも取り外して状態の確認と修復を行うことにした。
ワークショップは、ドローイングで使う「言葉」を集める目的で荒井さんを招いて開催。大分市や別府市の10~60代約20人が参加し、荒井さんから与えられた「伝言板」をテーマに未来につながる言葉を出し合った。
ドローイング部分はFRP製で、取り外しができるように2枚のパーツに分けて制作する。1枚の幅は約1.5メートル、高さ約2メートルで、荒井さんが選んだ言葉を書き込む。塗装後の門柱に横から合わせて完成させる。
取り外したマッテルモンについて、荒井さんは「制作から10年以上が経過しているが、本体の痛みは少なく、ピンク色などが少し消えたぐらいで状態は良い」と話す。新しいドローイングと、修復したマッテルモンは門構の再塗装を待って3月下旬に取り付ける予定。
このほか同研究会では、荒井さんによる、高崎山おさる館広場の「たいようをすいこむモン」の修復、大分市と大分空港を結ぶホーバークラフトをモチーフにした「カナウモン」の制作も予定。現在、クラウドファンディングで協力を呼びかけている。