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石川・能登と大分・別府の児童が温泉で交流 被災と支援が縁に

別府の松原温泉で交流を図る宇出津小と南小の子どもたち

別府の松原温泉で交流を図る宇出津小と南小の子どもたち

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 大分県を訪問中の石川県能登町の小学生と別府市立南小学校(別府市浜脇)の児童が7月22日、別府市内の共同温泉で清掃と入浴体験を行い、交流を深めた。

風呂掃除を終えて記念撮影する宇出津小と南小の児童

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 日田市のNPO法人「リエラ」が主催する、2024年能登半島地震・奥能登豪雨支援企画「能登っ子おおいた交流ツアー」の一環。別府市が2024年1月の地震発生時に能登町と珠洲市に移動型温泉施設「幻想の湯」を開設したことなどが縁で「別府ならではの共同温泉を知ってもらおう」とツアーに組み込んだ。

 一行は能登町立宇出津(うしつ)小の2~6年生13人。南小の5、6年生7人が清掃場所の松原温泉で、「能登っ子 別府温泉へようこそ!!」と書いた幕を手に笑顔と拍手で迎え入れた。

 清掃は南部ひとまもり・まちまもり協議会が主導して行った。両校児童が入り交じり、男女の風呂に分かれて浴槽周りをデッキブラシでこすったり、棚を拭いたりした。

 掃除が終わると一緒に一番風呂に。宇出津小の子どもたちは別府ならではの湯温の高さに驚きながらも湯船での交流を楽しんだ。向晃真君(5年)は「熱かったけど最高に気持ち良かった。大分にもっと長くいたい」と話した。

 交流会で記念品を手渡した南小5年の中川博之君、尾畠僚太君は「『大きな地震で縦横にグラグラ揺れて駄目かと思った』と直接聞いて、本当に怖いと思った」と口をそろえた。井野上陽音君は「ニュースでしか知らなかった。震災の怖さを教わったので、きちんと備えようと思った」、原田えんさんは「これを機に能登のことを、もっと知っていきたい」と、それぞれ話した。

 宇出津は能登町の中心部にあり、地震発生で建物の損壊や地盤沈下などに見舞われ、宇出津小は震災の際に避難所となった。リエラは地震発生後の1月3日に能登入りし、救援物資の配布や避難所の環境整備などの支援活動を行ってきた。現地に拠点を築き、現在も活動を続けている。代表理事の松永鎌矢さんは「ツアーは、子どもたちに遊び場を、という思いの一つ。大分と能登を近づけることが支援になれば」と話す。

 ツアーは、リエラに寄せられた「令和6年1月能登半島地震活動支援金」を財源に無償で実施。7月21日~25日の日程で、中津市、別府市、臼杵市、大分市、日田市を訪れる。

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