九州で初めての「ファブラボ大分」が1月26日、ソフトパークセンタービル(大分市東春日町)2階にオープンし、約100人が集まって施設見学やトークセッションが行われ、ITとものづくりが融合した市民の学びの場の門出を祝った。
ファブラボは、コンピューターに接続されたデジタル工作機械を備えるオープンで実験的な市民工房の「ネットワーク」。現在、世界50カ国260カ所以上に「ファブラボ」の拠点がある。「ファブ」には、ファブリケーション(組み立て製造)・ファビュラス(ワクワクする)・「ファブリック」(編む)などの意味があると言われている。
ファブラボ大分は、日本で7番目、九州で最初のファブラボとなる。3Dプリンターやレーザーカッターなどのデジタル工作機器の学習や、ものづくりを通した地域のつながりづくりの場として、大分県が「デジタルものづくり人材育成事業」の一環で開設し、ハイパーネットワーク社会研究所(大分市東春日町51)が運営する。
設置された工作機械は、3Dプリンター(樹脂用・石膏用)各1台、ミリングマシン1台、レーザー加工機2台、カッティングマシン2台となっている。
オープニングイベントで、大分県商工労働部西山英将部長は「刺激的でエネルギッシュな、ものづくりを通して自分たちの住む地域や社会や生産活動を変えてみようという人たちが集まれる環境を作っていきたい」と、開設趣旨を述べた。
25日から行われていた「おおいたをカタチにして伝えあう」ワークショップメンバーによるプレゼンテーションでは、別府八湯の湧出量や大分県の人口動態データなどが、3Dプリンター・カッティングマシンでつくったさまざまな「モノ」で表現され、参加者の驚きや笑いを誘っていた。
さらに、ファブラボジャパン発起人で慶應義塾大学環境情報学部の田中浩也准教授による基調講演「ウェブ社会からファブ社会へ」、続くパネルディスカッションでは、今後のファブラボのあり方、つながりづくりについて活発な意見交換が展開された。
運営を担当するハイパーネットワーク社会研究所代表理事の会津泉さんは「市民の自由な創造とコミュニティーづくりをサポートしたい。特に、小中学生にデジタルものづくりの面白さを体感してもらえるようなプログラムに力を入れ、長期的には大分の人材育成に寄与する場に育てていきたい」と話している。
運営時間は土日・祝日の14時~18時。