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大分戸次で秋の風物詩「大野川合戦まつり」 出陣の掛け声に会場から歓声も

盛り上がる「大野川合戦絵巻」の様子

盛り上がる「大野川合戦絵巻」の様子

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 大分市中戸次の大南大橋下の大野川河川敷で11月14日、「第11回大野川合戦まつり」が開かれた。主催は大南地区の自治会、大分商工会議所大南支所、各種団体、企業などでつくる実行委員会。

迫力の「大野画家合戦絵巻」

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 大南地区の初めての行事として、歴史的な出来事を後世に伝えるとともに、地域復興の目玉として始まった同イベントは今年で11回目。戦国時代、大友・四国連合軍と島津軍が壮烈な戦いを繰り広げた「戸次(へつぎ)川の戦い」をテーマに、「武者修行」や騎馬隊、鉄砲隊、弓矢隊による合戦さながらの「大野川合戦絵巻」、流鏑馬(やぶさめ)などが行われた。

 9時50分に開会式が始まり、大野川フォークコンサート、騎馬疾走、武者行列など多様な催しが行われた。YOSAKOIでは、福岡県や県内から計7チームが参加。初めての試みとして合戦をテーマにしたYOSAKOIが披露された。大分チームから選抜された大友宗麟を中心に、鉄砲隊、騎馬隊、足軽隊などとともに演劇も行われ、全国的にも珍しいYOSAKOIと合戦のコラボレーションに注目が集まった。

 特定非営利活動法人ふくこい理事兼事務局長の酒匂(さこう)彰さんは「新しいお祭り、他にない新しいYOSAKOIの形ができた。会場の熱もすごいと感じた。来年もまた出たい」と話す。

 大友氏初代当主の大友能直によって建立されたとされる、大分県大分市竹中にある勝光寺(しょうこうじ)の16代目住職で、南こうせつさんの兄、慧昭(えしょう)さんが歌う大南音頭では、地域住民が輪になって踊り、会場が一体となるなど盛り上がりを見せた。

 祭のメーン「大野川合戦絵巻」では200人で作り上げた迫力のステージに歓声が上がった。出陣の掛け声から始まり、戸次川の戦いをなぞった、鉄砲隊の演舞、騎馬隊の疾走、長宗我部信親が非業の死を迎えるシーンは、哀調を帯びた演技で観衆を魅了した。フィナーレでは「戸次川の戦い」の戦没者の慰霊を込めた花火が約20分間打ち上げられた。

 会場内の大南市場では同イベントが初めて開催された際に作られ、特産物として地域に根付いている、戸次特産のゴボウを具材に使ったまんじゅう「ごぼまん」をはじめ、合戦にちなんだ「鶴賀城まんじゅう」や「だんご汁」、「吉野の鶏めし」などの郷土料理が販売された。

 会長の渡邉信一さんは「天気の悪さが心配されたが、開催にこぎ着けることができて良かった。規模拡大ではなく、地域参加型の継続性を持ち大分の秋の風物詩として今後も10年20年と続くお祭りにしていきたい」と意気込む。

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