コンピューターゲームの腕を競う「eスポーツ」のオープン大会「第1回 大分 GAME PARTY」が6月10日、Oita Co.Lab Lounge(大分市金池町2)で開かれた。主催は大分県eスポーツ協会(TEL 080-4310-5417)、後援は大分経済新聞など。
「eスポーツ」はエレクトロニックスポーツの略称で、コンピューターゲームなどによる対戦を「スポーツ競技」とする際の名称。1990年代から世界的に人気が広がり、オリンピック種目への採用を目指す動きも始まっている。
大会は県内での普及と認知度アップを目的に初めて開いた。「しらしん拳」と題し、格闘ゲームの4タイトルで実施した。参加者は福岡県の3人、徳島県の1人を含む計32人(複数登録あり)。大勢の観客が見守る中、トーナメント形式で熱戦を繰り広げた。
会場にはゲーム機器をつないだディスプレー10台を設置。観客が見やすいように、壁に大型ビジョンを据えたほか、中央ステージのスクリーンに試合の模様を大画面で投影した。会場への出入りが自由であったこともあり、ピーク時には立ち見が出るほどの盛況となった。
メインイベントのタイトルには最多の16人が出場した。決勝戦ではゲームネーム「大分人」を名乗る川口純さん(32)が「鮮魚」さんを下して初代チャンピオンとなった。福岡県在住の川口さんは大分市出身で、過去に九州大会で優勝した腕を持つ本格派。「大会に合わせて里帰りした。また参加したい」と笑顔を見せた。そのほか「ゴウ」さん、「ねいびー」さん、「ぐっぴ~」さんが制した。表彰式には大分の郷土愛戦士「パワーシティオーイタ」がサプライズゲストとして登場。敢闘賞受賞者に記念品などを手渡した。
実況と解説は別府市で飲食店を営む宮本浩二郎さんが務め、巧みなマイクパフォーマンスで会場を沸かせた。「ゲームを好きな人が集まった空間はものすごく良い雰囲気だった。今後も機会があれば観客を盛り上げることで、eスポーツ人気を広めていきたい」と意気込む。
同協会会長の西村善治さん(39)は「想像以上の盛り上がりに驚いた。人気タイトルへの参加者も多かったし、これほどたくさんの観客に来てもらえるとは思わなかった」と手応え十分の様子。
今後はプロの選手養成やチームづくりを踏まえた交流対戦会や大会などを実施するほか、2019年秋の第74回国民体育大会「いきいき茨城ゆめ国体」に合わせて開かれる全国初の「eスポーツ」都道府県対抗大会への出場も目指す。西村さんは「良い第一歩をしるすことができた。この勢いを大事にして、活動の幅を広げていきたい」と話していた。