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別府市で「アニッシュ・カプーア」内覧会  スカイミラーなど話題作ベール脱ぐ

雲間の青空を映し出す「Sky Mirror(スカイミラー)」

雲間の青空を映し出す「Sky Mirror(スカイミラー)」

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 英国を代表する現代美術家の個展「アニッシュ・カプーア IN 別府」の内覧会が10月5日、会場の別府公園(別府市野口原)で行われ、天空を映す「Sky Mirror(スカイミラー)」や不思議な黒の世界を味わえる「void the pavilion (仮)(ボイドザパビリオン)」などが公開された。

「黒の世界」を味わえる「void the pavilion (仮)」

 主催は混浴温泉世界実行委員会(事務局=BEPPU PROJECT、TEL 0977-22-3560)。「in BEPPU」は国際的に活躍する芸術家が別府の特性を生かした個展を開く芸術祭で3年目。今年は英国の芸術家アニッシュ・カプーアさんを招き、「第33回国民文化祭・おおいた2018」「第18回全国障害者芸術・文化祭おおいた大会」の別府市のリーディング事業として開催する。

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 カプーア展では3つのプロジェクトを展開する。建築と彫刻が融合した「void the pavilion (仮)」は、光の吸収率が極めて高い「黒色」を利用した新作で、空間や物体などを「確認できない」という不思議な知覚体験を味わえる。別府用に作られた「Sky Mirror」は無料で鑑賞可能。直径5メートルのステンレス製の凹面鏡で、角度・時間・天候などによってさまざまな表情の空を移し出す。臨時ギャラリーの「コンセプト・オブ・ハピネス」ではカプーアさんの内面を表した荒々しい作風のオブジェ5点、力強い筆致の絵画3点を展示。BBC制作のカプーアさんのドキュメンタリー映像も上映する。

 内覧会には関係者ら65人が参加。台風25号の影響も少なく、時折雲間から青空ものぞいた。開会に当たり、同実行委総合プロデューサーの山出淳也さんが「30年前に彼の作品に魅了されたことで今の自分があるとも言える。今回、ここ別府で紹介できるのは感無量」、カプーアとのつながりが深く「void the pavilion (仮)」に携わった白石正美さん(SCAI THE BATHHOUSE代表)は「彼にとって日本では一番大掛かりなイベント。別府で開催できることをとても喜んでいる」とあいさつした。

 参加者はグループに分かれて3カ所を入れ替わる形で鑑賞。「コンセプト・オブ・ハピネス」では、構成と管理を担うキュレーターの飯田高誉さんが「自らのパッションでこれまでの自分の枠を壊そうとした迫力ある作品を並べている。赤い砲弾のようなものを何度も打ち込むイメージで創作しており、彼の内面性がよく出ている」と解説。「Sky Mirror」のエリアでは山出さんが「今回は別府の大地のエネルギーをイメージしながら構成した」とし、「空間を丸く切り取ったようにも見えるし、惑星が浮かんでいるようにも見える。早朝や夕方はまた別の顔も楽しめる」と説明した。

 「アニッシュ・カプーア IN 別府」は10月6日~11月25日に開催。開場時間は10時~18時。観覧料は一般(高校生以上)=1,200円、小・中学生=500円、未就学児・障がい者は無料。期間中使えるパスポート券は5,000円。「Sky Mirror」は無料。

 カプーアさんはインド出身の64歳。シンプルな形状と独自の素材で「表と裏」「陰と陽」などを表す創造性豊かな作品が特徴。ロンドン五輪の記念モニュメント制作、ヴェルサイユ宮殿での個展開催などがあり、英国の文化功労者として2003年に大英帝国勲章を受章している。