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大分市美術館で「切り絵アート展」 日本最高峰の110点が魅了

切れることなくつながっている蒼山さんの「Voltaire」

切れることなくつながっている蒼山さんの「Voltaire」

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 「切り絵アート展~息を呑(の)む繊細美~」が4月19日、大分市美術館(大分市上野、TEL 097-554-5800)で始まった。日本を代表する切り絵作家11人の作品110点が訪れた人を魅了している。

辰己さんの「キツネの嫁入り」

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 出展者は展示順に百鬼丸さん、関口コオさん、蒼山日菜さん、井出文蔵さん、辰己雅章さん、筑紫ゆうなさん、倪(にい)瑞良さん、酒井敦美さん、福井利佐さん、林敬三さん、柳沢京子さん。実行委員会によると、それぞれが独自の手法を生み出しており、発表された作品は日本切り絵美術の最高峰として高い評価を受けているという。大分の中島眞一さん、渡邉友香さんの作品16点も併せて展示している。

 蒼山さんの作品ははさみだけで作られ、全体がレース編みのようにつながっている。代表作の「Voltaire(ヴォルテール)」は黒い紙から細かな筆記体の文字と模様を切り抜いた代表作で、1行半制作するのに5時間30分かかったという。

 辰己さんは童話「キツネの嫁入り」を和紙に描いた「絵」として表現。倪さんは日々変化していく世の中や人の心を代表作の「光陰の理」に込めたという。

 酒井さんは光の当て方で作品内容が変化する「一画二驚」という作風が持ち味。「春の羽根」では光が切り替わると満開の桜が浮かび上がる仕掛けを施した。林さんは多彩な色紙を重ねて切り抜いていく「彫紙アート」の手法で奥行きのある作品を展示している。

 実行委員会によると「切り絵」の定義や技法は確立しておらず、切り抜き絵、影絵、貼り絵、ペーパークラフト、ペーパーアートなど多岐にわたり、その分、独創的で魅力的な作品が多いという。今回の展示に当たっては「これだけの多様な作品を一度に見られる機会はほとんどない。それぞれの技術や作風をじっくり楽しんでほしい」としている。

 開催時間は10時~18時。月曜休館(4月29日、5月6日は開館)。観覧料は、一般=1,000円、大学生・高校生=700円、中学生以下無料。6月9日まで。期間中、作家によるギャラリートークや実演、切り絵体験講座なども行う。

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