第33回宇宙技術および科学の国際シンポジウム in大分別府大会のキックオフイベントが8月8日・9日に別府ビーコンプラザ(別府市山の手町)で開かれる。JAXA職員や宇宙飛行士による基調講演のほか、大分県と宇宙をテーマとしたパネルディスカッションなどを行う。
シンポジウムは2年ごとに全国を巡る形で開催。世界の宇宙工学に関する研究者が発表や討論を行う国際会議で、期間中の参加者は延べ1万人以上に上る。次回の大分別府大会はビーコンプラザを会場に2021年6月5日~11日の日程で開かれる。
キックオフイベントは第33回ISTS大分別府大会地元事業実行委員会が主催。シンポジウムへ向けた「おもてなし」機運の向上などを目的に開催する。
新型コロナウイルス感染防止のため、定員は半数以下の500人に制限する。2日間とも参加は無料だが公式ホームページからの事前申し込みが必要。宇宙飛行士・山崎直子さんの講演会などを行う8日分は予約終了。9日分は空きがある。
9日は10時からSpace Port Japan理事の青木英剛さんとJAXA新事業促進部長の岩本裕之さんの基調講演を行う。岩本さんはJAXAの宇宙ビジネスへの取り組みをテーマに語る。13時からはパネルディスカッション「大分県における宇宙ビジネスの広がり」を開く。会場には大分県内企業などによる展示ブース、重力を体感できる「バーチャルリアリティー(VR=仮想現実)月面やり投げ」体験コーナーを設ける。
県内では、2022年に大分空港が小型衛星打ち上げ事業を手掛ける米企業の拠点「スペースポート」に決定したほか、企業4社が低軌道環境観測衛星「てんこう」に参画するなど、宇宙関連産業への挑戦機運は芽吹きつつある。実行委事務局(県商工観光労働部新産業振興室内、TEL 097-506-3273)は、「キックオフイベントや来年のシンポジウムを通して宇宙事業に興味を持つ人材を増やしていければ」としている。