混浴温泉世界実行委員会(別府市)は1月20日、アートプロジェクト「ALTERNATIVE-STATE(オルタナティブ・ステート)」第6弾にアーティストの齋藤精一さんを迎え、2月に別府中心街上空に光のアートを出現させると発表した。
「Distorted 『JIKU』 #23 D-1 | BEPPU」設置イメージ(1)
齋藤さんは地域デザインの企画や実装などを手がける「パノラマティクス」を主宰。2023年からグッドデザイン賞審査委員長。2023年D&AD賞デジタルデザイン部門審査部門長。2025年大阪・関西万博EXPO共創プログラムディレクター。
作品名は「Distorted 『JIKU』 #23 D-1 | BEPPU」。スーパーホテル別府駅前の屋上とトキハ別府店の駐車場からLED白色光線を向かい合わせに照射し、JR別府駅東側の駅前通りに一筋の光の軸を浮かび上がらせる。地上からの高さは約40メートルで、直線距離は約500メートル。2月23日から毎日、日没から23時まで行う。
『JIKU』は地域固有の歴史や地形から見いだした軸線を光の線で表現するシリーズで、「BEPPU」は23作目。齋藤さんは昨年4月からリサーチを始め、古地図や写真などから別府中心街の歴史と文化をひも解いた上で設置場所を決めた。Distorted(ディストーテッド)は英語で『ゆがんだ』の意味で、別府には街道、湯治、温泉、観光、都市開発など多様な軸が交差していることからタイトルに初めて取り入れた。
1月20日に別府市役所で開かれた説明会で齋藤さんは「他の街は大体一つの軸に絞れたが、別府にはたくさんの軸がありすぎてまとまらなかった。その結果として、『ディストーテッド』という表現を使った」と説明。「『JIKU』を見ることで、いろいろな軸を思い起こし、歴史を振り返り未来を語るスイッチが入る作品になれば」と話した。
2月23日はオープニングイベントとして、16時からトキハ別府店で齋藤さんを招いたアーティストトーク(先着50人・要予約)、18時30分からつるみカーパーク屋上で点灯式とコンサート(いずれも参加無料)を、それぞれ開く。
オルタナティブ・ステートは4年間で8作品を市内各所に設置するアートプロジェクト。2022年10月にスタート。これまでにサルキスさん、マイケル・リンさん、トム・フルーインさん、栗林隆さん、中崎透さんの5人が作品を手がけている。