大分の佐伯湾沖で捕獲されたクロガシラウミヘビが12月8日、大分マリーンパレス水族館うみたまご(大分市神崎、TEL 097-534-1010)に持ち込まれ県内の報道陣に公開された。
うみたまごに持ち込まれた個体は、佐伯市竹野浦河内の漁業者川野さんが12月6日に定置網漁の際に捕獲したもので、大分県では記録のない個体。大きさは全長130センチ、550グラムで背面の色は灰褐色・薄黄色時に黒い横帯が特徴。普段は熱帯・亜熱帯地域に生息する個体で「八重山諸島辺りから漂流したことが予想される」と同館飼育部の今井謙介さん。
琉球列島から東南アジアにかけて分布するコブラ科の毒蛇で、毒蛇としては最も強い毒を持つ種の一種とされている。ウミヘビ類は大分県では捕獲例も少なく、これまで「エラブウミヘビ」「ヒロオウミヘビ」「セグロウミヘビ」の3種が発見されており、今回のクロガシラウミヘビは4種目となる。
今井さんは「基本的には暖かい地域に生息する生き物。生きている状態で見つかることは本当に珍しい。大分県の生物多様性の理解や知識の普及に役立てほしい」と期待を込める。
今回の個体は動物愛護法上の特定動物(人に危害を加える可能性がある種)に指定されている関係から飼育・一般公開は行われず、8日中に冷凍処理後に琉球大学に研究標本として送られる予定となっている。