モリムラ寝装店(大分市中央町1)のトイレで5月20日、「ひらく」をコンセプトに今夏開催するアートイベント「おおいたトイレンナーレ2015」出展作品の公開制作が行われた。
大分市の中心市街にある商店・施設のトイレを会場に開く同イベント。2013年に中心市街地活性化事業として実行委員会を発足し、これまでにワークショップやシンポジウムなど準備を進めてきた。
この日は、南川憲二さん、荒神明香さん、増井宏文さんの3人で構成するアーティストグループ「目」が出展作品の制作に取り組んだ。同グループは2013年、南川さんと荒神さんがお互いの作品に影響を受けたことから、「一緒に活動すれば面白い物ができるのでは」と結成。以降、埼玉県を拠点に活動している。
今回の作品のコンセプトは「見立線(みたてせん)」。南川さんは「日常空間を別の景色に見立てた作品」と説明する。昨年末にトイレを題材にした作品を依頼され、構想はできていたというが、実際に現場を訪れ下見した際に「もっと面白い物ができる」と構成を一から練り直したという。
「この空間を座標的に見ると、ショップから物置、路地裏、井戸までわずか数メートルの間に面白い素材が詰まっている」と荒神さん。増井さんは「途中で難しい変更なども多々あるがアーティストの構想を形にできるのは楽しい」とも。
南川さんは「トイレを利用しに来てほしい。これまでにない新たなトイレ体験が待っている。用を足しながら楽しんでもえれば」と呼び掛ける。
同イベントの運営を担当するBEPPU PROJECTの種木悠二さんは「いろいろなタイプの作家が参加し、思いのままに作るアートイベントは珍しい。7月からの本開催を楽しみにしてほしい」と話す。
イベント期間中、全16組のアーティストによる作品展示やパフォーマンス公開を市内14カ所で予定する。中心市街の商店や施設のトイレでは現在、すでに完成したアート作品7作品をプレ公開している。
会期は7月18日~9月23日まで。