大分県立美術館OPAM(大分市寿町2、TEL 097-533-4500)1階アトリウムで現在、特別展示「日田祇園-見送幕の美」が開かれている。
「日田祇園の曳山(ひきやま)行事」がユネスコ(国連教育科学文化機関)の無形文化遺産に登録が決まったことを記念して開かれる同特別展。約9メートルの山鉾前面の飾り付けは町内の参加者による手作りで、歌舞伎の一場面を題材としている。背面に緋羅紗地に金糸を使い、刺しゅうを施した「見送幕(みおくりまく)」を設置している。
日田の祇園祭は、毎年7月20日過ぎに隈八坂神社・竹田若宮神社・豆田八坂神社の三社で行われる祭礼行事で、江戸時代から続いている。祭に合わせて行う9基の山鉾の巡行は、「日田祇園の曳山行事」として、平成8年に国の重要無形民俗文化財に指定されるなど注目を集める。
展示する幕は、長さ3メートル、幅1.5メートルで虎や鳳凰などを刺しゅうした計4枚。4枚は現在も祭りで実際に使われているという。
大分県立美術館広報グループの森田理恵さんは「全てが現在も使われているもの、写真で見るより実物の大きさや迫力に驚かれる。金糸を直接縫い付けたものや、凹凸などを実際に見てもらえれば」と呼び掛ける。
開館時間は10時~19時(金曜・土曜=20時まで、最終入場は閉館の30分前まで)。観覧無料。1月9日まで。