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別府で水道100周年記念ウオーク 市民らに立ち入り禁止のダム「開帳」

れんが造りと給水塔が特徴の乙原ダム

れんが造りと給水塔が特徴の乙原ダム

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 別府の立ち入り禁止地域にあるダムを巡る「別府市水道100周年記念ウオーク」が11月19日、朝見浄水場(別府市朝見2)などで行われた。主催は別府市水道局。

駐留米軍用に造られた鮎返ダム

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 別府市の水道が1917(大正6)年の給水開始から今年で100年を迎えるに当たり、各所で展開している記念事業の一環で開かれた同イベント。別府水道の歴史を伝え、先人たちの知恵と努力を体感する企画で、通常は立ち入り禁止になっている、水道創設時に建設された乙原(おとばる)ダムと駐留米軍のために造られた鮎返(あゆがえり)ダムを巡る。見学イベントとして市民をダムに案内するのは初めて。

 当日は市内外の5~80歳の約50人が参加。同水道局管理課主査の小野孝士さんの解説を聞きながら、朝見浄水場から乙原ダム、新鮎返配水池、鮎返ダムをたどるルート約5キロを約2時間かけて巡った。

 一行は、朝見浄水場で人口増加による給水不足の深刻化など、別府水道にまつわる歴史について説明を受けた後、立ち入り禁止のゲートを通って乙原ダムへと移動した。狭い堤の上に順番に進み、100年前に建てられたダムのたたずまいをじっくりと見学。れんが造りの外装や白い柱と水色の屋根の取水塔など西洋的な要素の詰まった建築物を目の当たりにして「古さがすてき」「現役とは思えない」などと興奮した様子で写真を撮っていた。

 続いて訪れた鮎返ダムでは、太平洋戦争後に国が駐留米軍用に造ったことや、その後の「無償払い下げ」などの説明に耳を傾けながら、堤の上から落ち流れる水の動きや眼下に広がる眺望に見入った。

 市内の梅田正昭さん(72)は「ダム巡りが好きでこの日を心待ちにしていた。近くに住んでいたがダムの存在すら知らなかった。時代を感じさせる古さが本当に良かった。市民として大事にしていきたい」と話す。大分市内から参加した綾部行治さん(45)は次女の風香さん(9)は「歩きながら歴史に触れられるので楽しく勉強になった」と話していた。

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