大分市内の会社員で「大分ラー麺’S倶楽部(くらぶ)」の会長を務める田村将治さん(39)が、大分のラーメン店を紹介する無料情報誌「ZURURU」(ズルル)を発刊する。
2011年に「大分とラーメンが好きすぎて」県内のラーメン好きが集まるコミュニティーとして同クラブを立ち上げた田村さん。これまでにラーメンフェスなどのさまざまなイベントを手掛け大分のラーメン界を活気づけてきたが、今回は「作り手と食べ手が継続的に盛り上がれる新たな仕掛け」として個人で企画した。
この秋に、これまでの経験と人脈を生かして掲載打診からスタート。各店舗をあらためて取材して回り、記事や写真の編集業務のほか、協賛広告の確保にも時間を割いた。「パンフレットやチラシ型では捨てられてしまう」と手元に保存版として置いてもらえる小冊子の形にこだわり、約3カ月かけて完成させた。
A5版フルカラーで36ページ。大分市の17店、別府市8店、日出町1店、佐伯市1店の計27店舗を掲載。各店舗の特徴、豚骨や鶏といったスープの基本の味付け、定番メニュー、人気メニューベスト3などを1ページ使って分かりやすく説明している。「おおいたラーメンにこれぞという定義がないからこそ、どれもが主役」と田村さん。
ページには田村さんならではのアイデアがぎっしり。各店の店主がお薦めの他店を紹介する「こっそり教えて」、食べ手目線で味を伝える「ファンのひと言」、また「お任せでと頼めばメニューにない料理が出てくる」「ハラル認証を受けたイスラム教用のラーメンがある」といった「裏話」も掲載。巻末には4店主が大分ラーメンの今後などについて語った座談会を載せた。「ほかのラーメンガイドブックには載らないようなオリジナルの情報を発信したかった」という。
掲載店舗の一つ「ラーメン浅野2号」(大分市古国府)を営む浅野壮平さん(45)は、「店にいるだけでは自分たちの地味な積み重ねしか見えにくい。こういった動きが活性化するとお客さんや他店との交流がより深まるので張り合いが出る」と発刊を歓迎する。
発行部数は1万部。12月15日から掲載店舗で配布する。田村さんは「かばんに入れたり、車に置いたりして、今日はどの店のどのラーメンを食べようかといった使い方をしてほしい」と利用を呼び掛けている。