大分市の高崎山自然動物園(大分市神崎)で1月26日、人気のボスザル「ベンツ」の死を悼み、大勢の観客が訪れる中お別れ会が開かれた。
同園では初となる2つの群れのボスになるなど武勇伝を残したベンツ。昨年9月14日には一度失踪するも10月1日に大分市内の住宅地で見つかり捕獲された。3週間近く群れから離れたもののナンバー2の「ゾロメ」が毛づくろいを始め奇跡的にボスに返り咲いたと認められた。
それから再び失踪する前は歩く姿も少し弱った姿を見せたり、山から出てこない状態が続いたりして、職員がエサを持っていくなど安否が心配されていた。それから1カ月たった今月17日、同園が死亡と認定した。
追悼の言葉を述べた楽園案内班リーダーの木本さんは「このお別れ会の最中にも現れるのでは、と期待していたが残念。28年前からの付き合いで山あり谷ありの彼(ベンツ)と自分の重なる部分があり忘れられない」
今月22日には大分市がその功績をたたえ、「高崎山名誉ボス」の称号を与えると発表。お別れ会の場で釘宮大分市長より授与された。
「ベンツとの思い出は一緒に雨宿りをしたこと。話しかけたら普通に返事が返ってきそうだった。再び失踪した日に夢を見た。山で一生懸命生きていた。まだ生きているように思う」とファンクラブの上川たみえさん。(福岡県直方市)
ベンツは推定35歳。人間に例えると100歳を超えていた。