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「おんせん県おおいたWEB物産展」が人気 JA全農おおいたのEC事業、飛躍の時

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 JA全農おおいたのEC事業が飛躍の時を迎えています。この5年で売り上げを伸ばし、コロナ禍で苦境に立つ大分ブランド品を応援する「おんせん県おおいたWEB物産展」も好調。「農林水」の連携で多様な品ぞろえが可能となっており、「全国に大分の良品を届ける」取り組みが羽ばたこうとしています。

■EC市場の拡大に合わせて売り上げアップ

 全国農業協同組合連合会大分県本部は幾度かの組織再編を経て2002(平成14)年に設立。組合員が生産した農畜産物の販売、農業経営の発展などを目的に流通事業を展開しています。「JA全農おおいた」はその愛称です。

 消費者向けのEC事業は2007(平成19)年にスタート。全国農業協同組合連合会(JA全農)が運営する通販サイト「JAタウン」に出店しました。当初は100万円未満だったという売り上げは、EC市場の拡大を受けて急増。2015年度に2,400万円、2017年度は3億5,000万までに増えています。2018年度以降も3億円前後で推移しており、今年度は5億円を見込んでいます。

■直販開発課は「消費者の窓口」

 EC事業の確立などを目的に、2019年の組織改革で営農開発部内に「BtoC」に軸足を置いた「直販開発課」を設立。このうち「JAタウン」やネット通販のアマゾンなどのショップの管理は山本朝子さんが担っています。

 商品企画から受注、仕入れ、発送などが主な業務。商品説明ページの作り込み、在庫確認、ギフトセンターでの箱詰め作業にも携わります。メールや電話での問い合わせにも対応。「おいしかったという感想やクレームも含めてお客さまの声を直接聞けるのは大きい。要望や意見を反映した商品を探して提供できるとうれしくなる」と話します。

■苦境の生産者をEC事業で応援

 今年の4月以降、新型コロナウイルスの影響で外食産業などが冷え込み、高級食材の消費が縮小。大分のブランド肉は連鎖的に値崩れを起こしました。JA全農おおいたは、苦境に立つ生産者を応援しようと10月から肉、水産加工品、青果などを最大3割引きで販売する「おんせん県おおいたWEB物産展」を展開しています。

 「WEB物産展」は「JAタウン」内に2021年3月末まで実施。「買って応援、食べて応援」をコンセプトに「おおいた和牛」「冠地どり」、乾シイタケの「うまみだけ」、「かぼすブリ」「かぼすヒラメ」、さつまいもの「甘太くん」、柑橘類の「美娘」といったブランド商品などを販売しています。

 良品を手頃な価格で購入でき、条件付きながら送料無料といった特典も付いています。「おおいた和牛」の切り落とし、バラ、小間切れ、サーロインステーキなどが人気で、関あじ・関さばなどをしょうゆだれに漬け込んだ大分県の郷土料理「りゅうきゅう」のセットも売れています。食肉販売課の藤井圭一課長は「商品の魅力はもちろん、全農ならではの安心・安全感も伝えたい」と話します。

■「オール大分」で消費者に愛される「EC事業」へ

 同課ではEC事業の飛躍を支える要素の一つに「農林水連携」を挙げています。2016年以降、大分県漁業協同組合(JFおおいた)、大分県花き生産者協議会、大分県椎茸農業協同組合などとの連携も始まり「オール大分」の体制が固まりつつあります。

 強化した体制で展開するEC事業について「まだまだ通過点と考えている」と田中篤史課長。「大分の魅力が詰まった一次産品の良品をそろえ、全国の消費者に愛される事業として育てていきたい」と意気込んでいます。

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