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大分市のアートプラザで磯崎新さんの展覧会と講演会 64年前の卒業制作お目見え

貴重な資料が並ぶ「地方都市の文化中心」展

貴重な資料が並ぶ「地方都市の文化中心」展

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 大分市出身の世界的建築家・磯崎新さん(87)が東京大学時代に発表した卒業制作のパネル展が現在、アートプラザ(大分市荷揚町3、TEL 097-538-5000)の2階ホールで開かれている。64年前に発表された貴重な資料で、今につながる磯崎さんの原点をたどることができる。22日には磯崎さんが自身の歴史について語る無料講演会も行う。

展示の説明をする佐藤さん

 アートプラザ開館20周年記念事業の一環。同施設の設計者・磯崎さんにスポットを当て、「ARATA ISOZAKI TALK+EXHIBITION」として講演会と展覧会の2つを柱に展開する。

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 展覧会に並べているのは磯崎さんが1954(昭和29)年に発表した卒業設計「地方都市の文化中心」のパネル15点。原本は東京大学大学院工学系研究科建築学専攻所蔵で、講演会でファシリテーター役を務める大分大名誉教授の佐藤誠治さん(70)は「門外不出とも言えるレベル。通常では見ることができない貴重な資料」と説明する。

 卒業設計では大分市の当時の地図や歴史や地形を踏まえた上で「将来の文化中心」構想を展開。市の中心部に市庁舎、オフィス、図書館、美術館、プール、ホテル、劇場、デパートなどを据え、高層住宅で取り囲む案を提示している。東部に重工業地帯を作り、別府まで高速道路で結ぶとし、予想人口は15万~20万人とした。それぞれの配置図や建物の機能についても触れ、色付きのふかん図などもそろえている。佐藤さんは「初めて見たが、卒業制作で地方都市に目を向ける発想に衝撃を受けた。今に続く大分への愛が詰まっている」と話す。

 今回の展示に合わせて、佐藤さんも展示をサポートする独自資料を制作。磯崎資料の周りに、大分市の歴史を写真や地図、新聞記事などでたどる24点を展示した。資料には磯崎さんの年齢も表記しており、対比することで当時の制作背景を理解しやすくするよう工夫した。

 22日は13時30分からセレモニーと無料講演会「建築家 磯崎新はどのように生まれたか~廃墟(はいきょ)の大分からの出発~」を開催する。対象は高校生以上で定員は200人。当日先着順。開場は13時。

 このほか2階の60’sホールと3階の展示室で、「公共建築」をテーマとした模型や磯崎さんから寄贈を受けた図書約1万8000冊のうち約1700冊を展示している。アートプラザの後藤詩織さんは「貴重な卒業制作や展示を見てから講演会を聞くとより深く楽しめると思う。大分を思う人や建築に興味のある高校生に、見て、聞いてもらいたい」と呼び掛ける。

 開場時間は10時~18時(21日は13時まで)。22日は閉場予定。入場無料。今月27日まで。

 アートプラザは、磯崎新さん初期の代表作で1966(昭和41)年に「大分県立大分図書館」として完成。日本建築学会賞を受賞した。1998年に現施設としてリニューアルオープンした。

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