大分スポーツ公園内に完成した「昭和電工武道スポーツセンター」(大分市横尾)が4月26日、関係者に公開された。大規模大会の開催と県民の手軽な利用を可能とする新しいスポーツの「聖地」。大型連休中の無料開放イベントで見学やスポーツ体験ができる。
県立総合体育館(大分市青葉町)が大会利用などで飽和状態となっており、手狭で老朽化も進んでいることなどから、「大規模大会の開催が可能」「県民が気軽に利用できる」「トップリーグの公式戦や各国代表の合宿開催によるスポーツ観光の拠点となる」を理念に掲げ、新しい受け皿として建設した。
昭和電工ドームに隣接する土地を活用し、2017年3月着工、今年4月完工。延べ床面積は約1万6100平方メートルで、多目的競技場、武道場、トレーニングルームなどを備える。事業費は約79億6,000万円。
メインの多目的競技場は2階建てで、バレーボールやバスケットボールなどの国際大会を開催できるよう設計された。和太鼓を横から切った際の上部と同様の形状で、縦81メートル、横40メートル(最大幅45メートル)の競技エリアとオープンスペースを備えており、現体育館の約2倍の広さとなる。武道競技8面、バレーボール5面、バスケットボール4面、ハンドボール2面が取れる。固定2028席、収納可動2016席、車いす20席のほか、臨時用の1000席などで最大約5000席を確保できる。
武道場は縦100メートル、横24メートルの広さで会場を3つの道場に分けることができる。1道場で柔道などの試合場として2面を取ることが可能。広さは現体育館の約1.6倍になる。固定408席。
両競技場とも天井を支えるはり(約70メートル)には日田杉を使用。県教育庁体育保健課によると「スギの無垢(むく)材を使った屋根構造としては国内最大級」。照明はLEDで、大型のガラスを取り入れて採光にも工夫しており、「ほとんどの競技に対応できる明るさをキープできる」。壁や天井には吸音材も取り入れている。
エントランスに国東のシチトウイを使ったベンチや「日田家具」を据え、通路の壁などの内装には別府竹製品協同組合の竹細工を使用。「県民が愛着を持ち、誇れる施設」になるよう県産材を活用した。
同体育保健課では、初年度に16万4000人の利用を見込んでおり、5年後の2023年度には29万3000人にまで増やしたい考え。「今後は国際大会など、より高いレベルの試合が見られるようになるし、公園という立地からふらりと立ち寄りやすくもなる。幅広い人をスポーツに誘える施設になれば」と期待している。
5月11日に開館記念式典と県民見学会を開催。12日に県武道祭、26日に県民体育大会と障がい者スポーツ大会の合同開会式を開く。4月27日~5月6日は無料開放イベントを実施。バドミントン、フェンシング、体力テストなどの体験教室を開くほか施設見学が可能。一般利用は6月1日から。