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大分の由布岳で山開き 「スーパーボランティア」尾畠さん、変わらぬ姿今年も

手製の杖を配り記念撮影に応じる尾畠さん

手製の杖を配り記念撮影に応じる尾畠さん

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 由布市と別府市にまたがる由布岳(1584メートル)の山開き祭が5月12日、正面登山道入り口で開かれた。25年近く登山道整備に取り組んでいる日出町の「スーパーボランティア」尾畠春夫さん(79)が今年も姿を見せ、登山客に手製の竹のつえを配るなどして安全登山を呼び掛けた。

好天の下、大勢の登山客が詰め掛けた

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 両市でつくる由布岳観光協議会の主催で39回目。9時からの式典で由布市の相馬尊重市長が「四季折々の由布岳を堪能してほしい」、別府市の川上隆副市長が「ミヤマキリシマの美しい時期。多くの人に楽しんでもらいたい」とあいさつ。関係者でテープカットを行い、万歳三唱した。

 12日は早朝から好天に恵まれ、雨天だった昨年の倍となる約4000人が来場。それぞれのペースで新緑の山登りを楽しんだ。会場では先着1000人に記念品の帽子を配ったほか、陸上自衛隊による豚汁1200杯の無料配布も行った。

 会場には2018年8月に山口県で行方不明の男児を発見した尾畠さんも。50歳半ばから「豊後富士」と呼ばれる地元の名山への感謝の印として、周辺のゴミ拾いや登山道の整備などを続けており、山開きの日には事前に準備したつえを配ることにしている。「時の人」となった後の今年も、変わらぬ姿で出発地点に立ち「下山時に楽。そのまま持って帰ってもらって構いません」と声を掛けた。

 登山客に応じて握手をしたり、一緒にカメラに収まったりするなどサービス精神も旺盛で、「本当にお若い」と声を掛けられると「48歳になりました」、「いつまで大分にいるの?明日の予定は?」と聞かれると「予定は未定」といった「尾畠節」で返し、周囲を和ませた。

 別府市の古城恵実君(8)は父親の克己さん(46)と参加。尾畠さんに肩車してもらい「怖かったけど、うれしかった」と笑顔を見せた。克己さんは「初めての由布岳登山で思わぬサプライズ。いい思い出になった」と話していた。

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