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大分市で「生きるを伝える写真展」 病で髪失った女性の美、ありありと

「脱毛症がんサバイバー」で実行委員会代表の亀井さん

「脱毛症がんサバイバー」で実行委員会代表の亀井さん

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 脱毛症やがん治療などで毛髪を失った女性らのありのままの姿を伝える「生きるを伝える写真展 in 大分」が11月19日、大分市のコンパルホール(大分市府内町1)2階市民ギャラリーで始まった。

「生きるを伝える写真展 in 大分」の様子1

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 発起人は福井県の「乳がんサバイバー」高橋絵麻さん。2018(平成30)年5月の福井開催を端に、全国を巡る形で開いている。大分開催は大分市在住の主婦・亀井祥子さん(46)が代表となり、実行委員会を立ち上げて企画した。

 亀井さんは11歳のときに全身の毛が抜ける脱毛症を発症。中学生になると一度は生えて戻ったが、高校時代に再び全ての毛が抜け落ちた。昨年の6月には悪性リンパ腫を発症したが、約半年間の治療で症状が改善(寛解)した。

 写真展は闘病中に知った。「隠したいという気持ちをはねのける勇気と生き生きとして美しい姿を捉えた写真に心動かされた」と亀井さん。寛解を機に「脱毛症のがんサバイバー」として、大分開催実現に向けて動き出した。

 モデルとなっているのは20~50代の女性とその家族15組。高橋さんから大型パネル15枚、日常のスナップ写真約100枚、メッセージを借り受けて展示した。試着用のウィッグやケアキャップなども用意した。

 頭髪のない女性のにこやか表情を捉えた写真の横にメッセージを添付。「ウィッグで隠し続け37歳で初めて公表しました。このままの自分で生きていくと覚悟したから」(40代・抜毛症)、「例え髪がなくたって女性らしさやその人らしさは決して失われないというメッセージを、モデルをしながら伝えていけたら」(20代・脱毛症)、「最初の病院で良性と言われ(中略)、できれば複数の病院にかかってください。検査結果をうのみにしないでください」(30代会社員・乳がん)など、それぞれの思いがつづられている。

 亀井さん自身も「脱毛症は生死にかかわる病気ではないが、ウィッグで隠し、周囲に小さなうそを重ねるのは息苦しく、生きているのがつらかった」と振り返り、「世の中にこういった病気があり、悩んでいる人がいるということを知ってほしい」と話す。

 写真展に合わせてワークショップやイベントも行う。21日は11時30分からヨガ体験講座(1,000円)、14時からメークと写真撮影(同)を開催。両講座参加者には弁当と茶が付く。23日14時から「髪の悩みおしゃべりサロン」(無料)、24日14時から「がんおしゃべりサロン」(無料)を開く。定員はいずれも10人。要予約。公式ホームページと写真展会場で受け付ける。

 亀井さんは「生きる形や選択は人さまざまだが、写真やメッセージを通して『こういった生き方』があるということを伝えられれば。大切な人と一緒に足を運んで何かを感じてほしい」と呼び掛けている。

 開場時間は10時~18時。入場無料。今月24日まで。

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