新型コロナウイルス感染拡大を受け、不要不急の外出自粛が求められる中、別府市が始めた飲食店のテークアウト(持ち帰り)情報をSNSで共有するプロジェクト「#別府エール飯(めし)」にならった「#○○エール飯」の取り組みが全国的な広がりを見せている。
サニーフードカフェ・アンド・ミュージックでも「エール飯」を販売
別府市と市の外郭団体「別府市産業連携・協働プラットドームB biz LINK(ビービズ・リンク)」が3月18日から始めた独自企画。店や市民にテークアウトメニューを撮ってもらい、検索用のハッシュタグ「#別府エール飯」を付けてツイッターやインスタグラムに投稿してもらうという取り組み。公式サイトも整えており、4月10日現在、投稿数は1400件を超えている。
「美味(うま)いはコロナに負けない。」を掲げた動きは「密閉、密集、密接」のいわゆる3密を避けつつ、コロナ禍に苦しむ飲食店を間接的に救えるとして話題となり、別府にならう地域が日を追うごとに増えた。
東京都東村山市では、東村山市料理飲食店組合の組合長・萩原繁郎さん(41)が中心となり、別府市の取り組みを参考に3月27日に「#東村山エール飯」プロジェクトを立ち上げた。萩原さんは「市民の力を借り、自分たちでできる精いっぱいの取り組み。SNSでの広がりも良く、反響を実感している」と手応えをつかむ。このほか、青森県弘前市、栃木県足利市、茨城県石岡市、大阪市城東区、佐賀県唐津市などでも市や団体、有志が先導する形で「応援団」が続々と形成されている。
「発信地」の別府市の紹介(参加)店舗数は100店以上。「SUNNY FOOD CAFE & MUSIC(サニーフードカフェ・アンド・ミュージック)」(別府市鶴見、TEL 0977-76-5685)では、「この状況を憂いた時期もあったが、在宅時間の長いお母さんや子どもたちはもっと苦しんでいるのでは」とテークアウト弁当の販売を開始。店主の宇都宮賢さん(45)は「飲食のみならず街の活性化につながれば」と前向きだ。
ビービズ・リンクによると「#○○エール飯」のコンセプトなどについて使用許諾は不要。観光マーケティングチームの堀景さん(46)は「遠慮せず気軽に使ってほしい。全国の飲食産業を救うことができれば」と熱い。