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大分県立美術館で「坂茂建築展」 開館以来最大規模で多角的な創作紹介

大分県立美術館で始まった「坂茂建築展」

大分県立美術館で始まった「坂茂建築展」

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 日本を代表する建築家・坂茂さんの建築展「仮設住宅から美術館まで」が5月11日、自身が設計した大分県立美術館OPAM(大分市寿町2、TEL 097-533-4500)で始まった。約2000平方メートルのスペースを使った開館以来最大規模の展示会で、美術館やコンサートホール、仮設住宅などの模型や実物を並べ、坂さんの多角的な創作活動を紹介している。

「ラ・セーヌ・ミュジカル」の150分の1模型(坂茂建築展)

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 坂さんは1957(昭和32)年東京生まれ。1982(同57)年磯崎新アトリエに勤務。1985(同60)年に坂茂建築設計を設立。フランスのポンピドー・センター・メスなど世界の建築物を設計するほか、災害支援活動にも携わる。阪神淡路大震災(1995年)で紙を使ったログハウス、中国・四川大地震(2008年)では小学校の仮設校舎を設置した。受賞はアーノルド・W・ブルーナー記念賞建築部門世界建築賞(2005年)、フランス芸術文化勲章(2010年)、プリツカー賞(2014年)ほか多数。

 展示会は坂茂建築展実行委員会、大分県芸術文化スポーツ振興財団、同美術館の主催で開館5周年記念事業として開催。1階展示室Aとアトリウムに紙管の柱を並べて回廊を作り、「紙の構造」「木の可能性」「手で描く」「プロダクトデザイン(家具、工業製品)」「災害支援」の5テーマで展開している。

 展示室ではスイスのスウォッチ本社の15分の1模型、パリ郊外の複合音楽施設ラ・セーヌ・ミュジカルの150分の1模型、実際に出入りができる紙の茶室などを展示。設計前の構想やディテールを描いたスケッチも公開している。

 アトリウムの展示は無料で観賞できる。ニュージーランドのクライストチャーチに建てた「紙の大聖堂」の10分の1模型、東日本大震災や2016年の熊本地震などで活用された「避難所用間仕切りシステム」の実物などを並べている。

 期間中の5月23日に講演会「建築家・坂茂の仕事-仮設住宅から美術館まで」を開催する。11時からと14時からの2回で、募集人数は共に50人(先着順)。そのほかに予定していた開館5周年記念事業式典、ワークショップ、ギャラリートークなど各種イベントは延期または中止。開催については随時、ホームページなどで告知する。ユーチューブでは坂さん自身が展示会を解説する動画を配信している。

 開場時間は10時~19時(金曜・土曜は20時まで)。観覧料は一般=1,000円、大学生・高校生=700円、中学生以下無料。会期は当初の6月21日までから7月5日までに延長している。

 同館は、新型コロナウイルスの感染予防で4月17日から休館しており、開館は約1カ月ぶり。出入り口は1階の1カ所で、入館時にサーモカメラによる検温を行い、代表者の氏名や連絡先などを確認する。展示室内への同時入場者数は坂茂建築展120人、コレクション展100人に制限している。

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