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別府市の土産物店「南光物産」、コロナ禍で抱えた在庫を店頭とネットで割引販売

南光物産の原口智成社長

南光物産の原口智成社長

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 別府市で土産物菓子の「ざぼん漬」などを製造・販売する「南光物産」(別府市大字鉄輪、TEL 0977-66-4151)は現在、コロナ禍で休業した観光施設や旅館から引き取った在庫を最大5割引きで、店頭とオンラインで一般販売している。地域住民やネット利用者から「地元の土産物を食べる良い機会」「食品ロス削減に協力したい」といった声が上がり、支援購入の輪が広がっている。

人気の土産物も半額で販売(南光物産で)

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 1967(昭和42)年創業。併設の工場で大分県産のかんきつ類を使った菓子や漬物などを開発・製造し、別府、湯布院を中心とする観光地やレジャー施設、旅館、ホテルへ卸売りしている。

 緊急事態宣言を受けて休業した観光施設、旅館、ホテルの動きを受け、工場の稼働を週1回まで減らした。委託販売先で在庫となっている自社商品も引き取り、割引販売をすることを決めた。4月1日に社長に就任したばかりの5代目・原口智成さん(38)は「大型連休に合わせて製造した商品が大量に返ってきている。東日本大震災の時よりも落ち込みは大きく、創業以来、一番大変な時期にあると思う」と話す。

 そうした中でも「食べられるものを無駄にしたくない」と、賞味期限に余裕のある商品を市内の福祉施設に寄贈。店頭とオンラインでも割引販売を始めた。店では「柚子こしょうせんべい」を半額の432円としたほか、「ざぼん漬」「ざぼんチョコレート」「温泉ラムネグミ」「ゆず一番」などの人気商品を「利益を考えず」に並べている。

 地元企業の苦境を耳にした地域住民らも「何か協力したい」と次々と来店。別府ならではの味を手に取り、「小学校の入学祝いをもらったお返しに大分の菓子を贈りたい」「地元の土産物を食べてみたいと思っていた」と思い思いの理由で商品を購入している。

 オンラインでは「観光地支援・おうちで別府」と名付けた割引セットを新しく用意。ざぼん漬けセットは1,510円(通常価格2,280円)、「ゆず一番」「焼きやせうま」などのセットは2,980円(同3,850円)で販売している。同社によると、SNSなどで情報が広がり県外からの注文も増えているという。「多くの支援にとにかく感謝したい。別府に旅行に行った気持ちに少しでもなってもらえれば」としている。

 別府では6月から観光施設や宿泊施設などが営業を再開する見込みだが、移動を伴う観光業界の行き先は今後も不透明。原口さんは「全国の観光地はどこもまだまだ大変な時期だと思う。落ち着いて移動ができるようになったら、別府温泉でゆっくり過ごしてほしい」と呼び掛ける。

 営業時間は8時~17時。

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