別府市の高台に12月18日、滞在型ホテル「GALLERIA MIDOBARU(ガレリア御堂原)」(TEL 0977-76-5303)がオープンする。掛け流し温泉の部屋風呂や館内を飾る約30点のアート作品が特徴で、外出しやすいように食事のスタイルを工夫するなど、ホテル内外で「新しい別府時間」を楽しめる空間となっている。
同ホテルは、別府市内で「関屋旅館」など3施設を営む関屋リゾート(別府市堀田、TEL 0977-85-8841)が運営する。主に外国人観光客の長期利用を想定し、「温泉×アート×交流」をコンセプトに掲げて開業する。コンセプト立案などは「graf」(大阪府)、建築設計・空間デザインなどは「DABURA.m」(大分市)が手掛け、アーティストの招へいなどはNPO法人「BEPPU PROJECT」(別府市)が担当した。
敷地面積は7268平方メートル、延べ床面積は2950平方メートル。本棟とレストラン棟で構成する。本棟は鉄筋コンクリート造で、5階建て(地下1階)。土塊(つちくれ)のようなコンクリート壁を格子状に組み合わせた造りを特徴とする。客室は35部屋。全室に別府湾を一望できるリビングルームと堀田温泉の掛け流し風呂を備える。
宿泊料金は部屋単位で3万5,000円~。最多価格帯のデラックスツイン(4万円~、3人まで)はテラスを含めて約58平方メートル。2ベッドルームスイート(10万円~、定員5人)は3、4階部分を使用する上下2階層のメゾネットタイプで約146平方メートルとなっている。
レストラン棟の「THE PEAK」では、地元食材を中心に使ったグリル料理や懐石料理などを提供。連泊客向けに複数のメニューを用意する。ランチのみの利用もできる。
「温泉に付加できる新しい魅力」としてアート作品を目玉の一つにした。別府や国内で活躍するアーティスト12組が別府にちなんだオブジェ、映像、写真コラージュ、壁画などを制作。1階から4階までの廊下やスイートルーム、レストランなどに作品28点を展示している。
中山晃子さんは1階のエントランス横のテラスにディスプレーを据え、粘土質の泥中に湯の泡が湧き出る「鬼石坊主地獄」の映像を流す。ロビーには大巻伸嗣さんが別府をモチーフとした球形のオブジェ「ゆだま」を飾るほか、西野壮平さんは2万5000枚の写真で別府の街並みを表現した「別府温泉世界地図」を展示する。このほかのアーティストは、青木美歌さん、泉イネさん、オレクトロニカ、勝正光さん、草本利枝さん、島袋道浩さん、鈴木ヒラクさん、ネルホル、目。
関屋リゾートの林太一郎社長は「近年は2、3泊する外国人客が増えていたので、多様な泊まり方ができる施設にしたかった」と話す。「ホテルを起点に宿泊者同士はもちろん、別府の街や市民との交流を楽しんでもらい、再訪の思いを抱いてもらえれば」と期待する。