NHK・Eテレの人気番組「びじゅチューン!」と大分県立美術館(大分市寿町2、TEL 097-533-4500)のコラボ企画展「びじゅチューン!×OPAM なりきり美術館」が2月19日、3階コレクション展示室などで始まった。番組で取り上げた葛飾北斎の浮世絵、風神雷神図屏風などの世界を最新技術で楽しむ体験展示で、開館以来最大という規模で紹介している。
開館5周年記念事業。同実行委員会などの主催。「びじゅチューン!」は、アーティストの井上涼さん(37)が歌とアニメで世界の美術を紹介する番組。大分県では昨年3月に豊後高田市の熊野磨崖仏が取り上げられている。
熊野磨崖仏のほか、「冨嶽三十六景・神奈川沖浪裏」「松林図屏風」「山水長巻」「名所江戸百景・大はしあたけの夕立」「見返り美人図」「麗子微笑」「風神雷神図屏風」「夏秋草図屏風」(以上複製)と「麗子微笑」(東京国立博物館蔵)を題材に、1階アトリウム、3階の展示室Bとコレクション展示室に8コーナーを展開する。高精度の複製品や映像、音響、プロジェクションマッピングなどでそれぞれの世界観を表現。来場者が作者やモデルになりきり、決まった場所で体を動かすことで映像の変化などを楽しめる仕掛けも用意している。
「冨嶽三十六景・神奈川沖浪裏」を題材とした「体感!ザパーンドプーン北斎」では、スクリーンの前でジャンプした際の滞空時間に合わせて映像に映し出される波の大きさが変わる。
「顔パフォーマー麗子」では、その場で撮影した自身の顔写真を映像にし、額縁内の「麗子」に当てはめることができる。「風神雷神図屏風・夏秋草屏風 表と裏でダブルデート」では、風神・雷神になりきって屏風の中に雷や風を起こせる。
各コーナーには作品に関連のある田能村竹田、福田平八郎、高山辰雄(「高」ははしごだか)、宇治山哲平、生野祥雲斎ら大分ゆかりの作家の作品も合わせて展示。井上さんは「体験した後にその場で関連作品を鑑賞できる仕組みを楽しんでほしい。美術が苦手という思いが残っている人も『なりきり』体験をすることで印象が変わると思う」と話している。
開催時間は10時~19時(金曜・土曜は20時まで)。料金は、一般=300円、大学生・高校生=200円、中学生以下無料。1階アトリウム無料。5月9日まで(3月22日・29日、4月19日は休展)。