国内外に高級宿泊施設を展開する星野リゾート(長野県軽井沢町)の「星野リゾート 界 別府」(別府市北浜2)が7月8日、グランドオープンした。館内は別府ならではの温泉街をイメージした造りで、全客室から別府湾を一望できる。
地上11階建て。「ドラマティック温泉街」をコンセプトに建築家の隈研吾さんが設計・デザインを担当。湯治客がにぎやかな街をそぞろ歩きする様子をイメージし、館内に和紙のちょうちんで照らす石畳の路地、土産店や夜店を模した空間を設けた。
「湯の広場」では足湯や手湯、おけを楽器としてスタッフが演奏する「ご当地楽・湯治ジャグバンド」などを楽しめる。温泉の配管をモチーフにしたイベント空間の「ラボ」では、源泉とアロマオイルを使った「温泉ミスト作り」などを体験できるほか、「べっぷ地獄めぐり」をイメージしたカクテルも味わえる。
客室は70室。海の景色を絵画のように楽しめる「ピクチャーウインドー」が特徴。壁は観光名所「血の池地獄」から連想した「柿渋色」とし、豊後絞りを使った作品をヘッドボードやフットスローなどのインテリアに取り入れた。
食事は大分の旬の素材を生かした会席料理で、半個室の食事処(どころ)で提供する。温泉は炭酸水素塩泉。大浴場には内風呂と露天風呂があり、内風呂には温度の異なる2つの湯船を備える。料金は1泊2食付きで1人3万1,000円~。
7日に開かれた内覧会で星野佳路代表は「別府は非常に重要な位置付け」とした上で、「九州は、マイクロツーリズム、大都市圏からの集客、インバウンドの成長という3階層のバランスが取れている。九州を一つのエリアと見立て、県単位の観光プロモーションを打破するブランドを立てられれば、まだまだ変わっていけると思う」と述べた。
「界」は星野リゾートの温泉旅館ブランドで、「界 別府」は18カ所目。九州では「界 阿蘇」「界 霧島」に続き、6月4日に開業した。