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別府市鉄輪で芸術祭「廣川玉枝 in BEPPU」 異界の神々、繁栄の舞い踊り

鉄輪むし湯前広場の「渦踊り」

鉄輪むし湯前広場の「渦踊り」

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 別府市を舞台とする個展形式の芸術祭「廣川玉枝 in BEPPU」の「地嶽祭神事奉納」が12月18日、鉄輪エリアで行われ、地獄の神の衣装をまとった市民らが町を練り歩き、踊りなどを披露した。

湯気の中を練り歩く「まれびと」

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 廣川玉枝さんは服飾デザイナーとして国内外で活動。2017(平成29)年には無縫製でニットを編む「スキンシリーズ」がニューヨーク近代美術館に収蔵された。今年の東京オリンピック・パラリンピックの表彰式で日本選手が着た朱色のジャケットにも取り入れられた。

 廣川さんは異界から訪れた神「まれびと」として火、風、水、土など6役を想定し、それぞれの衣装をデザイン。18日はダンサーの大宮大奨さん、市民ら12人が「まれびと」に扮(ふん)し、火男火賣(ほのおほのめ)神社から鉄輪地区に向かって太鼓を鳴らしながら移動。旅館や店舗、民家などを訪ねては厄をはらい、繁栄を祈願した。途中の大谷公園で勇壮な舞を披露し、ゴールの鉄輪むし湯前広場では来場者と一緒に「渦踊り」を行った。

 12月19日に大谷公園で行われたオープニングセレモニーで廣川さんは「私たちの祖先は疫病が広まると神社を立てたり、おはらいをしたりしてきた。そうした自然に対する敬意の気持ちが芸術として、祭りとなって表れた」と解説。「別府の人たちと一緒に祭りを作り、芸術の力で盛り上げていきたいと考えた。街の装いが違った見え方になることに期待したい」と話した。

 イベントは「今こそ、新たな未来へと導く『祭』を」をサブタイトルに12月18日から2月13日の期間で開催。先行して12月11日に伽藍(がらん)岳の火口付近で行なった「追儺式(ついなしき)神事奉納」の様子は専用ホームページで配信している。

 18日の「地嶽祭神事奉納」の映像は12月29日から公開。19日のトークイベント、1月15日の「火男新春竈門祭舞奉納」、2月13日の「火祭神事奉納」の映像も随時公開する。

 このほか鉄輪地区では常設展示のインスタレーションを展開。鉄輪むし湯、地獄蒸し工房、熱の湯前の洗濯場跡の建物は、「スキンシリーズ」で作ったのれんなどで装飾している。火男火賣神社と大谷公園では、祭りで着用した神々の衣装を展示。洗濯場跡には祭りの模様を紹介するモニターを設置している。

 「in Beppu」は混浴温泉世界実行委員会(別府市野口元町2、TEL 0977-22-3560)の主催で6回目。世界的アーティストを迎え、別府の地域性を生かしたアートイベントを展開する。

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