大分県立美術館(大分市寿町2、TEL 097-533-4500)の1階展示室Aで現在、「養老孟司と小檜山賢二『虫展』~みて、かんじて、そしてかんがえよう」が開かれている。同館などの主催、大分経済新聞後援。
養老さんは解剖学者、医学博士、東京大学名誉教授。大の虫好きとして知られ、採集した昆虫を顕微鏡で拡大して観察し、標本にしている。昆虫標本の収蔵と研究を目的に、箱根に養老昆虫館を建てている。著書に「バカの壁」など多数。
小檜山さんは工学博士、慶應義塾大学名誉教授。虫のデジタル写真家。極小の昆虫を数百回撮影し、全ての個所にピントの合った写真に加工する「深度合成」と呼ばれるデジタル画像処理技術を確立した。
虫展は「虫」を極めた2人による全国初の大規模展。養老さんの虫標本や言葉を展示する部屋、小檜山さんの写真を観賞する部屋など、6つの部屋で構成している。
拡大写真では肉眼では観察できない虫の造形などを確認できる。コメ粒ほどのオオゾウムシは縦4メートル横8メートルにまで拡大。トビケラの巣は写真のほか模型も展示している。写真には学名、サイズ、原寸写真を入れたプレートが付く。
「深度合成」についてはグンジョウオオコブハムシの撮影写真で説明。3D(立体)写真研究の部屋では、専用のコントローラーと投影機を使い、3D写真を自分の手で全方位から観賞し、拡大・縮小ができる。大分のクワガタムシ、タマムシ、チョウ、トンボなどを集めた大分昆虫同好会の部屋もある。
開館時間は10時~19時(金曜・土曜は20時まで)。観覧料は、一般=1,200円、大学・高校生=1,000円、中学生以下無料。8月25日まで。