国宝臼杵石仏(臼杵市深田、TEL 0972-65-3300)で1月24日、文化財を保存する修復現場の特別公開が行われる。
修復作業は年に2回一般公開される恒例のイベント。国宝臼杵石仏のホキ石仏第2群が対象で、紫外線照射で枯死させたコケなどの着生生物をピンセットや竹串、はけを使って手作業で除去する様子を見ることができる。臼杵市文化財課の安藤さんは「磨崖仏の表面を特殊な方法でクリーニングして保存状態を一定の水準に保っている。なかなか一般公開はしていない作業なので、ぜひ見てほしい」と来場を呼び掛ける。
今月28日には特別祈願法要が行われる。1月・5月・9月の年3回行われるもので、健康祈願や学業成就・就職成就・良縁結願など、諸願成就を祈願する。
前回の特別祈願法要の翌日から当日朝までに大日如来前に設置してある「ご祈願箱」に入れられた「祈願札」を、臼杵市仏教会の僧侶が読経とともに祈願奉納。僧侶が大般若経の経典本をあおいで風を送り、その風を参列者が受けて安穏を祈願する。
古園石仏大日如来像に代表される臼杵石仏(磨崖仏)は、平安時代後期から鎌倉時代にかけて彫刻されたといわれ、その規模、数量、彫刻の質の高さで日本を代表する石仏群とされている。1995年6月15日には、磨崖仏では全国初、彫刻としても九州初の国宝に指定された。その数は60余体にも及び、うち59体が国宝となった。石仏群は4群に分かれ、地名によってホキ石仏第1群(堂ヶ迫石仏)、同第2群、山王山石仏、古園石仏と名付けられている。
同市観光課の和田さんは「年々参加者が増えてきている。年に3回、願いを書いたどなたでも参加が可能な法要。多くの方に来てほしい」と話す。「今年は国宝に指定され20年目を迎え、特別行事も予定している」とも。
開催時間は、修復現場特別公開=10時~14時、特別祈願法用=11時~(予定)。入場料金は大人530円、小人260円。