大分で文部科学省事業の「地(知)の拠点整備事業(大学COC事業)」の採択を受けている県立看護科学大学(大分市廻栖野2944)と日本文理大学(一木1727)が4月28日、大分駅ビル「JRおおいたシティ」(大分市要町1)で共同記者会見を開いた。
「地(知)の拠点整備事業(大学COC事業)」は、大学が地方公共団体や企業等と協働して、「学生にとって魅力ある就職先」を創出し、さらにその「地域が求める人材を養成する」ために必要な教育カリキュラムの改革を断行する大学の取組を支援する事業。地方創生の中心となる「ひと」の地方への集積を目的として2013年度から開始された。事業期間は5年間。
県立看護科学大学は2013年度に採択。「看護学生による予防的家庭訪問実習を通した地域のまちづくり」をテーマに予防的家庭訪問実習を創設、1~4年次の異なる学年をグルーピングした「チューター制度」を導入、各グループが4年間同じ高齢者を担当し、対象者の生活環境を長期的な視点で支え学習し、地元や地域に根差した看護師を目指す。
同大学の村嶋幸代学長は「学生自身が地域の中での『高齢者の生活・日常』を知ることで、退院後の生活がイメージできるようになり、一番大切な知識を身につけることができた」と話した。
2014度に採択された日本文理大学は「豊かな心と専門的課題解決力を持つおおいた地域創世人材の育成」をテーマに、地方創生に特化した科目を増設。地域へ学生を派遣、実際に地域コミュニティーと共同で作業・支援活動することにより、主体的に地域の課題やニーズを考え、取り組むことができる人材育成を目指し進める。
同大学の平居孝之学長は「学生と地域の方々の一体感も出てきた。学生自身活動内容を『評価してほしい、広めていこう』という意識が高まってきた。最終的には地域を重視した職業感を持った学生を継続的に輩出し、地域貢献できるように大学をあげて取り組む」と意気込んだ。
文理大学は今後の主要な取り組みとして大分市佐賀関地区での学生活動拠点や豊後大野市での実践育成拠点の開設などを予定している。