大分市アートプラザ(大分市荷揚町3、097-538-5000)で8月7日、九州初上陸の「フェイク・クリーム・アート渡辺おさむ展『お菓子の国のアリス』」が始まった。
アート界の「スイーツ王子」、フェイク・クリーム・アートの第一人者といわれる渡辺おさむさん。樹脂粘土などの素材で作る本物そっくりのクリームやスイーツをデコレーションし、色鮮やかでおとぎ話のような世界観を演出。「磯崎新さんの建築した建物を最大限生かせるよう試行錯誤した。自分自身も良い勉強になった」と渡辺さんは話す。
展示作品は大分で初めて公開される約30点を含む約350点。メーン展示のティーパーティーエリアでは長さ約9メートルのテーブルを用意。テーマの「アリス」を思わせる「かわいくてどこかミステリアスな世界」を演出している。
そのほか、市内のカフェやレストランなど21店舗にアート作品を展示。各店を利用することで展覧会の割引券を進呈するなど、市街地を回遊する仕組みも採り入れる。
同館イベントディレクターの吉川緑さんは「『かわいい』『さわやか』な九州初のフェイク・クリーム・アートと商店街とのコラボレーション企画など大分の街全体を楽しんでもらえれば」と話す。
渡辺さんは「美術館と違って光などを考慮した空間の演出が難しかった。大分ではさまざまなアートイベントで盛り上がりを見せるタイミングで展覧会ができたことはうれしい」と話す。「誰もがお菓子やケーキを食べた幸せな記憶が残っていると思う。作品を見て楽しい時間を思い出してほしい、そして展覧会がいい思い出になれば」とも。
市内から親子で訪れていた佐藤美紀古さんは「実際に見ると触りたくなる。きれいではなやか」、小学2年生の優花ちゃんは「ユニコーンがかわいい。家でまねして作ってみたい」と、それぞれ話す。
開催期間中「スイーツデコでティーカップをつくろう!」や「スイーツデコでマカロンをつくろう!」などのワークショップなども予定している。
開館時間は10時~18時。観覧料は、大学生以上=1,000円、高校生=700円、小中学生=200円、小学生未満無料。9月12日まで。