大分・臼杵の市街地周辺で2月10日、「うすき雛(ひな)めぐり」が始まった。主催は、うすき雛めぐり実行委員会(臼杵市観光情報協会内、TEL 0972-64-7130)。
「町人たちが子どもの成長を願った紙びな」を、おひなさまの原型である立ちびなを参考に現代に再現した同イベントは今回で12回目。
江戸時代、質素倹約に努めた藩政により、臼杵の町人たちは「紙製のおひなさま」しか飾ることを許されなかった。当時の作り方は残っていないため、「うすき雛の会」のメンバーなどボランティアを中心に毎年10月ごろから制作しているという。
臼杵市観光交流プラザ・久家の大蔵・旧真光寺 サーラ・デ・うすきの4カ所をメイン会場とし、飲食店や着物店などの協力店23店などに約3000組を飾る。そのほか県内の野津和紙だけでなく、竹田和紙や鳥取県の因州和紙(いんしゅう)、愛媛の大洲和紙(おおず)など国内各地の和紙を使って作った紙びなも展示している。
各会場に展示された紙びなに隠された言葉探しゲームも開いており、設置された回収ボックスへ答えを投函すると後日抽選で記念品が当たる。協力店では桜もちやひな御前など「雛めぐり」にちなんだ限定メニューや市内を着物で街歩きできるよう着物のレンタルプルラン(4,000円)などを用意する。
期間中、関連イベントとして「うすき雛づくり体験」、お茶会「茶道裏千家臼津直進会 お呈茶」、琴の演奏会「菊芙路洋子社中琴演奏」、幟市(のぼりいち)なども予定。数量限定で、うすき雛の販売も予定している。
臼杵市観光情報協会の石田淳子さんは「全て手作りの紙びなは作り手の創意工夫により年々レベルアップしている。開催当初のひなと新しいひな、作り手によって表情の違うひなの顔を見比べてもらいたい。城下町の風情と合わせて春を感じながら楽しんでもらえれば」と来場を呼び掛ける。
入場無料(一部有料観覧施設あり)。3月20日まで。