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大分の県南3市が連携して「復興丼」開発 被災地津久見の盛り上げに

臼杵、津久見、佐伯の海鮮素材が詰まった県南げんき丼

臼杵、津久見、佐伯の海鮮素材が詰まった県南げんき丼

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 9月の台風で大きな被害を受けた津久見市を元気付けようと臼杵市観光交流プラザ(臼杵市臼杵)で10月31日、同市を含む臼杵、佐伯の3市が名産を持ち寄り「県南げんき丼」の試作開発会を開いた。

高橋さん(左)を中心に新しい丼を試作

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 大分県南3市の観光協会が連携して運営する「日豊海岸ツーリズムパワーアップ協議会」の発案により企画した同発表会。

 津久見市は、9月17日の台風18号で床上浸水や土砂災害などの大きな被害を受け、今なお町を挙げて復興に取り組んでいる。同協議会によると、駐車場などのアスファルトの上に積もった土を洗い流してもすぐに元通りになってしまうほど土や砂が至る所に入り込んでいる状態で、「完全復興にはまだ時間がかかる」という。

 風評被害や交通網の寸断などにより、観光客の減少も懸念されることから、大分県の「地域活力づくり総合補助金」を活用して津久見市を支援するイベントを企画。同協議会が毎年この時期に展開している「ぶんご丼街道」に合わせた形で、3市それぞれ自慢の海鮮素材をのせたオリジナル丼を作り、台風の影響で延期となっていた振興祭の場で限定品として販売することにした。

 31日の試作会には、各市の観光協会職員ら関係者11人が顔をそろえた。臼杵市がフグの薄切りと皮、津久見市がメバチマグロの切り身、佐伯市が伊勢エビとエビで取っただしを持ち寄り、臼杵市内の日本料理店「福わ内」を営む高橋清登さん(64)が素材の分量や味付け、盛り付けなどを変えながら次々と試作品をテーブルの上に並べていった。

 参加者は、エビのだしをかけたり、しょうゆベースの甘めのたれを垂らしたり、さまざまな食べ方を試行。「温かいだしはかけない方がいい」「マグロの切り身は厚めがおいしい」などと意見を出し合って候補を絞っていった。試作の結果、ご飯の上に刻みのりをかけ、切り身をのせて白ごまと小ネギを、大葉とカボスを添えたものに決まった。「個性が強い海鮮素材の食べ合わせに苦労したが、最終的にうまくまとまった」と高橋さん。

 県南げんき丼は1杯600円(伊勢エビのだし汁付き)で11月18日、19日につくみん公園で開かれる「津久見ふるさと振興祭」で限定発売する。各日限定500杯。同祭を主催する津久見市観光協会の吉田博之事務局長は「三位一体ならぬ三市一体となって予想以上に良い丼ができた。祭りでは津久見市の元気なところも感じてほしい」と来場を呼び掛ける。

 同メニューの問い合わせは同協議会まで。同祭の問い合わせは津久見市商工観光課(TEL 0972-82-9521)。

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