大分市中戸次の大南大橋下の大野川河川敷で11月11日・12日、「第13回大野川合戦まつり」が開かれた。主催は大南地区の自治会、大分商工会議所大南支所、各種団体、企業などでつくる実行委員会。
歴史的な出来事を後世に伝え続けるとともに、地域活性化を目的に始まった同イベント。戦国時代、大友軍と島津軍が繰り広げた「戸次(へつぎ)川の戦い」をテーマとした「合戦絵巻」 をメインに、餅まき、武者行列、鉄砲隊による演武、合戦の要素を取り入れたよさこい踊り、フォークコンサートなどを行った。
出陣式に大友軍と共に戦った四国勢ゆかりの高松市から大西秀人市長も加わった。よろいかぶとを身にまとい、「高松から新幹線で5時間かかる距離。援軍として駆け付けた先人たちの重みが伝わってくる」と感慨深げに話し、佐藤市長とともに「エイ、エイ、オー」と勝ちどきを上げた。
目玉の合戦劇には地元の有志のほか、四国の長曾我部甲冑(かっちゅう)隊、十河氏の子孫、個人参加の「武将」ら総勢約200人が参加、史実に倣って大友軍の崩れゆくさまを再現した。騎馬の疾走、鉄砲や火矢などの実演を盛り込み、十河存保(まさやす)と長宗我部信親が死を覚悟するシーンでは、鬼気迫る演技を繰り広げて観衆をくぎ付けにした。フィナーレでは戦死者への慰霊を込めた花火を打ち上げて締めくくった。
会場には、特産物として地域に根付いている戸次特産のゴボウを具材に使ったまんじゅう「ごぼまん」をはじめ、合戦にちなんだ「鶴賀城まんじゅう」や「だんご汁」「吉野の鶏めし」などの郷土料理も並び、来場者の舌を楽しませた。
大分市の渡来昇真君(下郡小5年)は父親の義和さん(49)ら家族4人で来場。「歴史が好きで連れてきてもらった。合戦のシーンは迫力があってすごかった。また来年も見たい」と話していた。