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大分県立美術館で「イサム・ノグチ展」 彫刻、陶芸~総合芸術の足跡たどる

日本の盆ちょうちんを題材にした「AKARI」

日本の盆ちょうちんを題材にした「AKARI」

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 大分県立美術館OPAM(大分市寿町2、TEL 097-533-4500)で現在、「20世紀の総合芸術家イサム・ノグチ 彫刻から身体・庭へ」が開催されている。

テープカットするジェニー館長(中央)

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 米国ニューヨークのイサム・ノグチ庭園美術館や香川県立ミュージアムなど国内外から集めた80点を展示する同展は九州初開催。イサム・ノグチ(1904~1988年)は、日本人の詩人・野口米次郎を父に、米国人作家のレオニー・ギルモアを母に持ち、今世紀を代表する彫刻家といわれている。

 会場を章ごとに4エリアに分け、彫刻、舞台美術、家具、照明器具や公園のデザインなど、幅広い「ノグチ芸術」の出発点から晩年までを紹介する。第1章では、彫刻やドローイング、舞踏家とのコラボレーションなど人間の身体と向き合った仕事を、第2章では「陶器」や「光」を彫刻として捉えた日本ゆかりの作品群を展示。第3章では晩年にかけて手掛けていた公園や庭などのデザインを紹介し、最終章ではノグチの後半生を代表する石の彫刻を並べている。

 北京を訪れた際に制作した水墨による身体素描「北京ドローイング・傾く男と少年」は20代の作。盆ちょうちんのような「AKARI」や陶芸による「柱壺(はしらつぼ)」など日本ならではの作品も並ぶ。

 2つのこぶをのせたテーブル型の「ミラージュ」は、「非常に硬い花こう岩をツルツルになるまで磨き削っている。60歳過ぎに厳しい素材と向き合っているところに、石に対する思いが見て取れる」と同美術館主幹学芸員の宗像晋作さん。「不死鳥♯1」は数本のくさびで花こう岩を割った断面を残した作品で「石の表情がそのまま見える豪快なところが面白い」(宗像さん)。

 根之木英二実行委員長は「抽象的ではあるが非常に分かりやすい。ノグチがこだわった社会と芸術の世界を体感してほしい」と来場を呼び掛ける。

 期間中、同館学芸員によるギャラリートーク(約60分)も行う。開催時間は12月22日=16時~、9日・23日・2018年1月13日=13時30分。同展観覧券必要。

 開催時間は10時~19時(金曜・土曜は20時まで)。入場料は、一般=1,000円、大学生・高校生=500円、中学生以下無料。1月21日まで。

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