大分市の府内五番街商店街にある「n406」(大分市府内町2)で現在、期間限定ショップ「うなぎの寝床の冬支度。」が開かれている。
「n406」は、商品開発から広報、空間デザインまでを総合プロデュースする「ブンボ」(日田市田島)の大分市事務所。同商店街の「名店ビル」406号室にこの秋開設したばかりで、取締役の中村由佳さん(50)が運営に当たる。
ブンボ代表の江副直樹さん(61)はこれまでに、建具店やデザイナーとオリジナルの家具や住宅を造る「住まいの木工房むっく」(佐賀県)、商売繁盛を掲げる新たな地域活性化モデル「九州ちくご元気計画」(福岡県)、林業振興をテーマに日田きこりめし弁当を開発した「ヤブクグリ」(大分県)など、20年にわたって官民含むさまざまな事業の立ち上げに携わってきた。
今回は新事務所開設を機に、これまでに同社が関わってきた商品を取り上げて大分に紹介しようと企画。「九州ちくご元気計画」から派生して生まれた、地域のものづくりをサポートするアンテナショップ「うなぎの寝床」(福岡県八女市)で取り扱う衣類、日用雑貨、食料品から約30種類を選び、事務所を売り場に変えて展示販売することにした。
「うなぎの寝床」の代名詞ともなっている久留米絣(がすり)のコーナーには、もんぺ、ワンピース、スカートのほか、座布団やクッションなどを取りそろえる。柔らかな手触りと風合いを利用したもんぺ(1万800円~)は「日本のジーンズ」として、太もも部分をすっきりと見せる現代風にアレンジ。農作業を考えて付けられた右前のポケットと膝当てをそのまま残し、普段使いしやすいように裾を絞るゴムを通した。中村さんは「色は紺が人気。パンツの選択肢があまりない男性が興味を示して買っていくケースが多い」という。自宅で作れるように型紙(1,080円)も用意している。
筑後市の宮田織物は創業100年で今なお完全自社製造。目玉のはんてん(1万2,960円~)は「軽さと暖かさにこだわっただけでなく、首回りなど肌に当たる部分を柔らかく仕上げている」と中村さん。
日用雑貨では「田川産業」(田川市)のしっくいを固形化した消臭グッズ(2,160円)、「まるは油脂化学」(久留米市)のつばき油を原料とするせっけん(1,080円~)、 「内野樟脳(しょうのう)」(みやま市)の樟脳オイル(1,512円~)といった目利き品が並ぶ。有明海のムツゴロウのだしを練り込んだラーメンやクッキー、ブドウやカキのセミドライフルーツなどの食料品も人気という。
中村さんは「地場商品には良いものがたくさんあることを発信していきたい。商品の背景も含めて伝えたいので、一度足を運んでほしい」と呼び掛ける。
営業時間は11時30分~18時。12月17日まで。