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大分県立美術館で「コレクションの醍醐味」展 「収集家こだわり」テーマに110点

片岡コレクションの竹田による写本

片岡コレクションの竹田による写本

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 大分県立美術館 OPAM(大分市寿町2、TEL 097-533-4500)で12月8日、「2017コレクション展V コレクションの醍醐味(だいごみ)」が開かれている。

南海コレクションのローランサンによる油彩画

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 年間テーマを設け、同館収蔵作品約5000点の中から2カ月ごとに展示を入れ替え全 6 回にわたり紹介する同展。シリーズ第 5 回となる今回は、「収集家のこだわり」をテーマに、山口県宇部市の実業家だった片岡辰市と佐伯市の南海病院(現南海医療センター)から寄贈された作品110点を展示する。

 同美術館によると、炭鉱で財を成した片岡さんは、竹田市生まれの南画家・田能村竹田の作品を愛し、資料や関連作品を個人で収集。南海病院は1970年代以降、来院者や入院患者を癒やす目的でフランス近代絵画や彫刻などを院内に展示していたという。同美術館はこれまでに同氏から竹田の南画など約140点、同病院からローランサンの油彩画など50点の寄贈を受けている。

 片岡コレクションの竹田コーナーには、水墨画のほか、中国の漢詩の書物を筆写した「明詩別裁集記載人名録」「蔵海詩話」「鄭所南・?翠巌・高房山詩集」、竹田が妻のさださんに宛てた書簡も展示する。同館学芸員の友永尚子さんは「一字一字丁寧に漢字を書き写した写本と、平仮名交じりの妻への手紙との対比が面白い」と説明する。

 女性初の文化勲章受章者・上村松園の「月蝕(げっしょく)の宵」は、あでやかな着物姿の女性を描いた屏風の大作。同美術館によると、あまり展示会に出ない名作で松園の大正期の画業を代表する作品という。

 南海コレクションのエリアには、ローランサンの「楽器を奏でる従者と女性」、ピカソの大作「アンチーブの風景」、シャガールの「母と子」など世界的大家の名作も並ぶ。展示方法にも工夫を凝らしていて、十数点の作品を隙間なく集めて展示したり、「裸婦」を題材にした作品を続けて並べたりなど、コレクション展ならではの楽しみ方を演出している。

 このほか、来年のえとに合わせて福田平八郎の「仔犬」、高山辰雄の「二匹の仔犬」の水彩画、国の重要無形文化財に指定されている小鹿田(おんた)焼きの陶器、イギリスの陶芸家バーナード・リーチの陶芸品も展示している。

 友永さんは「収集家自らが鑑賞するためにこだわって集めた作品ばかり。芸術をめでる、本来の楽しみ方を味わってほしい」と来場を呼び掛ける。

 期間中、同館学芸員によるギャラリートーク(約60分)も行う。開催時間は12月22日・1月26日=17時~、12月24日・1月14日・1月28日=14時~。同展観覧券必要。

 開館時間は10時~19時(金曜・土曜=20時まで)。観覧料は、一般=300円、大学・高校生=200円、中学生以下無料。2月6日まで。

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