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別府大学で「バリアフリー百人一首」 札読む指文字に目凝らす

学生たちが楽しんだ指文字百人一首

学生たちが楽しんだ指文字百人一首

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 別府市の別府大学(別府市北石垣82、TEL 0977-66-6262)で1月11日、「指文字百人一首」が開かれた。

指文字を見て札を取り合う学生

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 同大の「手話サークル HELLO」が企画した同イベントは今回が初めて。読み札を、声を出さずに指文字で伝えるルールが特徴。健常者と聴覚障がい者が一緒に百人一首を楽しめるようにと、同サークル部長の下鶴賢太郎さん(文学部人間関係学科2年)が考案した。

 下鶴さんは鹿児島の高校時代に部活動で百人一首に熱中したという。「指文字は1字につき、一つの形があるので、名前や地名などの固有名詞を表すときに役立つ。その仕組みが百人一首にぴったりだと思った。手話を学ぶ時まず初めに(指文字を)覚えるので、誰でも参加しやすいのでは」と話す。

 11日は同サークル部員13人が参加。顧問の藤森千博講師のアドバイスを受け、学内の茶室を使って実施した。全100枚の中から事前に部員と下鶴さんが選んだ25枚を使い、2グループに分かれて取り札の枚数を競い合った。

 取り札は、かるた競技のように整然と並べず、通常のかるたのようにバラバラに置く「散らし取り」で行った。初めは緊張気味だった学生も、慣れてくると「取った取られた」の展開に。難聴の学生2人も参加し、少ない枚数ながら札を取っては「自分たちが取るよりも、周りのみんなが次々と取って行くのが楽しく、うれしかった」と周囲の盛り上がりに笑顔を見せていた。灘波朋恵さん(同1年)は1回戦で9枚を手元に重ねてトップ。「耳を使わずに視覚だけで取るというのが難しく、また楽しかった」と話す。

 「五・七・五・七・七」を一字ずつ指文字で当てるのは「想像以上に疲れる」と下鶴さん。「来年は百人一首本来のニュアンスをくみ取って、手話で100枚にチャレンジしてみたい」と意欲を見せる。

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