大分市の大分中央幹線道路「庄の原佐野線」の「元町・下郡工区」が1月14日16時に開通した。
2013年に着工した同工区は、芸短大北交差点から下郡工業団地入口交差点までの1.2キロメートル。周辺の混雑緩和のほか、今年の国民文化祭および全国障害者芸術・文化祭、2019年のラグビーW杯開催に当たり、市の出入をめぐる移動時間短縮が期待される。大分川の市街地区域に一般道の新たな橋が架けられるのは、1966(昭和41)年完成の弁天大橋以来、約半世紀ぶり。
供用開始に先立ち11時から渡り初めの記念式典が開かれた。NPO法人大友氏顕彰会、同顕彰会の牧達夫理事長が「宗麟公も400年後に自分の名前が付いた橋ができてびっくりし、満足していると思う」とあいさつ。広瀬勝貞県知事が「半世紀ぶりに立派な橋ができた。市内のいろいろな所へのアクセスが便利になり、渋滞も緩和され、災害時には救援道路にもなる。この先の工区も時間をかけて完成させていく」と述べ、来賓と共にテープカットを行った。
正午過ぎに、大友宗麟鉄砲隊の火縄銃による合図で渡り初めがスタート。県に招待された、近隣に住む3世代家族が先陣を切って橋を歩き始めた。
小中学生のアイドルユニット「七色こんぺいとう」は式典でダンスを披露。川野瑞葵さん(王子中1年)は「躍りながら大友宗麟のことを考えていた。大勢の人が見ているので緊張したがうまくできた」と、ほっとした様子を見せた。渡り初めでは上野ヶ丘中学校吹奏楽部が「栄光の架橋」を演奏。部長の竹内和未(なごみ)さん(2年)は「橋の上で音が抜けて大変だったが、うまく演奏できたと思う」と笑顔で話した。
16時の正式な開通では、パトカーが先導する形でゆっくりと両方面からの乗り入れが始まった。下郡方面からバイクで乗り付けた一団はガッツポーズをしながら橋を通過。記念の渡り初めの列と日曜の夕刻が重なり、下郡方面へは18時30分過ぎまで渋滞していたが、次第にスムーズに流れるようになった。同時に開通した歩道にも地元の住民らが列をなし、「これで駅までが近くなる」などと言いながらうれしそうに歩いていた。