別府市のスパイス料理店「Norary-Crary」(別府市元町、TEL 090-3014-4078)が1月17日、新サイドメニュー「サモさん」の販売を始めた。
SEとして個人事業を営む水口洋さん(54)が、昨年9月に親族が営む竹瓦温泉前の「cafe TAKEYA」内で開いた同店。仕事の傍ら研究し「自分が食べたい北インド地方のスパイスの利いたカレー」を、セミリタイアを前にワンコインの500円で提供している。店内販売だけでなく近隣への配達も行っている。
カレーメニューは2種類。いずれもさまざまなスパイスと香味野菜で作る基本となるソース「マサラグレービー」をベースとしている。もも肉を使った「チキンマサラ」には発酵バターを加え、パクチーと生クリームをあしらった。「チキンキーマ」はミンチにして焼いた胸肉とマサラグレービーを水分がなくなるまで炒め、卵の黄身とトマトと生タマネギをトッピングに加えている。水口さんは「突き詰めていった結果、どちらもものすごくおいしいスタンダードなカレーになった」という。
新メニュー誕生のきっかけは、冬限定のカレーうどんを販売する際に開発した、甘辛く味付けした胸肉とマサラグレービーを合わせた「スパイス鶏みそ」。「カレーかしわうどん」としてメニューに加えたが、「鳥みそがどこかでだしと合わなかった。まずくはなかったが作り手として納得がいかなかった」とすぐに販売を中止した。
スパイス鶏みそを利用し「何かアレンジができないか」と試行錯誤を繰り返し、試しにカレーパンに入れてみるとヒット。さらに知人のアイデアからインド料理のサモサの具材に使うと「ビール10杯はいける」と手応えを感じ開発に乗り出した。
サモサは小麦粉などで作った薄い皮で具材を包んでカラリと揚げるインド料理。サクサクの食感に水口流「スパイス鶏みそ」がマッチした。「試作段階で知人たちに教えたら、食いしん坊が集まってほとんど平らげていった」という人気ぶり。手応えを感じ取った水口さんは、すぐに「サモさん」としてサイドメニューに加えることを決めたという。
直径10センチの皮でスパイス鶏みそを包み、半月、扇形へと4つ折りにしてサッと揚げる。カレーのベースともなっているマサラグレービーがダイレクトに味わえる「辛め」の仕上がりとなっている。「思わぬ副産物だが味は間違いない」という自信を見せ、「スパイスのうま味を味わってほしい」と呼び掛ける。
「cafe TAKEYA」(月曜定休)=12時~18時、「別府屋台たっちゃん」(別府市北浜1、水曜定休)=21時~翌5時、大分市のバー「ビブラヴィ」(大分市都町2)=水曜のみ21時~、各店に水口さんが間借りしてカレー2種、サモさん(各500円)を販売する。