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杵築市の奈多狩宿海岸でマツ並木整備 「白砂青松」復活へ参加募る

昔は白砂青松が美しい海岸だった(NPO法人アイラブグリーン大分提供)

昔は白砂青松が美しい海岸だった(NPO法人アイラブグリーン大分提供)

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 杵築市の奈多狩宿(なだかりしゅく)海岸で2月24日、海岸林の整備作業とウミガメについて学ぶ講習会が開かれる。

下枝を切り払う前の松林

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 県の「おおいたうつくし作戦まちづくり推進事業」の一環として開かれる同イベント。NPO法人アイラブグリーン大分(大分植木内、TEL 097-541-1047)、地元住民らでつくる「奈多狩宿海岸の松林を守る会」などが中心となって実施する。

 同海岸は、伊予灘に面する南北約6キロメートルの砂浜とクロマツ並木を抱え、県内では佐伯市の波当津海岸とともに「日本の白砂青松(はくしゃせいしょう)100選」に選ばれている。かつて夏場は一日に1万人が訪れる県内一の海水浴場だったが、近年は海水浴客の減少、管理者不足、感染症による被害などが原因で松林が放置され、荒れた状態となっている。

 そうした背景の下、昨年5月16日に「守る会」が発足。海岸の松林を再生・保存を目的とする活動を始めた。7月には同法人などの協力を得て、勉強会を開催。地域住民のほか、関係団体や県や市の職員ら約150人が参加し、専門家による講演会、県内海岸の現状調査発表、松林の調査などを通して現状を確認し合い、事業化への方針を固めた。同法人の二村沢行理事長は「クロマツの不要な下枝を切るだけですっきりとした。方向性を共有できた」と話す。11月には重機などを用いて不要な木や枝を切るなど、作業も本格化している。

 3回目となる今回は県の助成を受けて、拡大して実施。昨年6月に同海岸で数十年ぶりにアカウミガメの産卵・ふ化が見られたという「偶然」もあったことから、松林の整備に加え、ウミガメについて学ぶ講習会も併せて開くことにした。

 当日は9時から八幡奈多宮でウミガメ講習会、並行して海岸で枝切り、木に巻き付いたつるの切り取り、堆積した腐葉土の除去などを行う。子どもに枝切りなどを手伝ってもらう林業体験も実施する。

 二村理事長は「クロマツは風の力を弱め、風に乗ってきた砂を落とす針葉樹。高さ20メートルまで育つので防風・防砂の役割を効果的に果たす。そうした木々が茂り過ぎで成長が阻害されている。本数を減らし、下に積もった腐葉土を取り除くことで美しい白砂青松がよみがえる」と説明する。

 守る会の木村謙次郎会長は「これまでは国の保安林ということで間引きをするなどの整備ができなかったが、今後は地域、団体、行政が一体となって昔の松林とウミガメが来る砂浜を再生し、地域の誇りを取り戻したい。手伝ってほしい」と参加を呼び掛ける。

 参加無料。当日、八幡奈多宮で受け付ける。

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