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大分怪獣「ブゴン」生みの親・芸短生の松本さん、東京でプロの道へ

「ブゴン」をデザインした松本さん

「ブゴン」をデザインした松本さん

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 大分怪獣クラブのオリジナル怪獣「ブゴン」をデザインした県立芸術文化短大専攻科の松本智明さん(22)が、4月から東京でプロの道へと進むことになった。

3DCGソフトで怪獣をデザインする松本さん

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 幼少の頃から「ゴジラ」「ウルトラマン」「仮面ライダー」などの特撮ものが好きだったという松本さんは佐賀県嬉野市出身。中学生の時に見た「ウルトラマンガイア」の映像と怪獣デザインに引かれ、怪獣を生み出すデザイナーへの道を選んだ。高校卒業後に同短大へ進学、専攻科にも進み、4年にわたってCGイラストなどの造形を学んできた。この4月からは東京のイラスト制作会社に就職することが決まっている。

 3DCGソフトを使って描いたヒーローや怪獣は100体以上。ストーリーや形から「主役」をイメージして、骨格、筋肉の流れ、環境に適した生態、性格などの「リアルさ」を追求していく。「自分の頭の中にあるイメージを実体化していく作業がたまらない」と松本さん。怪獣イラストコンクールや怪獣デザインコンテストなどで賞も取った。

 松本さんは怪獣特撮を愛する有志でつくる同クラブの会員。ブゴンは2年前の同クラブのイベント「おおいた怪獣総シン撃2016」のオリジナルキャラクターとしてデザインした。「背中に火山があり、口から温泉を吐く」というアイデアが出発点で、会員から持ち寄られた「とさかは鶏」「緑色の体は由布の自然」「赤い顔は高崎山の猿」など大分ならでは特色を組み合わせた。「雄々しく山を割って出てくるイメージをリアルに考えてデザインした」と言う。

 ブゴンは、ポスターやフェイスブックのカバー写真などを飾るほか、大分県警の110番PR動画に登場するなど、同クラブの顔にもなっている。事務局長の齋藤龍一さんは「大げさではなく、松本さんがブゴンをデザインしてくれたからこそ会が続いているといってもいい。ほかの人がデザインしてもスッと入ってくるような怪獣にはならなかったと思う。スタンダードなところが本当に素晴らしい」と絶賛する。

 2月23日には松本さんが参加する最後の定例会が大分市内の飲食店で開かれ、来年度の事業計画などについて話し合った。8月に開催するイベントでは「本物のブゴン」を登場させる予定で、現在、本格的な着ぐるみの制作を進めている。松本さんは「完成が間に合うかどうかは分からないが、自分がデザインした怪獣が実体化するのは本当にうれしい。時間を取って見に戻ってきたい」と笑顔を見せる。

 4月からはブゴンを置き土産に東京へとホームグラウンドを移す。「何となく来た大分だったが、似た感覚の異業種の人に出会ったことでたくさんの刺激を受けた」と振り返る。「東京ではまずはしっかりと土台を作り、いずれは自分が描いた怪獣を活躍させたい。同じような志を持った人たちの作品展も開きたい」と夢を広げている。

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